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借地権とは?(その2)

今回は前回の続きで借地権についてです。

4.借地権の対抗要件

前回述べたように建物所有目的の地上権と土地賃借権を借地権といいます。この借地権を第三者に対抗するためには登記が必要です。

借地権の登記にはいくつかのパターンがあります。

(1)賃借権の登記
賃借というと登記というイメージはあまりありませんが、民法605条において「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる」とされており、登記すれば第三者に借地権(土地の賃借権)を対抗することができます。

そうであるならば登記すればいいということになりますが、残念ながら特約がない限り賃借人は賃借権の登記を賃貸人(地主)に請求することはできないとされています。つまり、地主が賃借権の登記に協力する義務はないということです。

地主からしてみれば余計な他人の権利が自分の土地につくことは土地の価値を下げることになりますので、登記に協力してくれることは稀です。したがって、実際問題として賃借権が登記されることはほとんどありません。

(2)地上権の登記
地上権とは、他人の所有する土地において、工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用・収益することができる物権のことです(265条)。

賃借権は債権であるのに対して、地上権は所有権と同じ物権であり強力な権利です。地上権の場合は、地主の承諾を得ることなく、地上権を登記し、第三者に譲渡し、賃貸することができます。

地上権は賃借権よりもさらに強力な権利ですので、実際に利用されることは多くはないようです。

(3)建物の登記
借地借家法では借地上に登記した建物をもっていれば、その借地権を対抗することができるとされています(10条1項)。これは、賃借権が上記のとおり現実的には登記できないことから、賃借人の保護を図る目的です。

建物の登記であれば、建物の所有者が単独で登記することが可能であるため建物の登記をすることで借地権を第三者に対抗することができるようになります。

逆にいうと、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合には、建物の所有者に借地権が生じているということになります。

5.借地権の譲渡等

借地権が地上権である場合には、物権であるため地主の承諾の有無にかかわらず譲渡することが可能です。

一方で、建物を所有することを目的とする土地の賃借権である場合は、借地上の建物を譲渡することにより、原則として借地権も移転することになります。しかしながら、この場合は賃借権の譲渡には地主の承諾が必要となります。

では地主が譲渡を承諾しなかったらどうなるのかですが、地主に不利益がないにもかかわらず地主が承諾しようとしないときは、借地権者は、地主の承諾に代えて、裁判所の許可を得れば有効に譲渡することができるとされています(19条)。

6.建物の再築

当初の契約期間が30年であった場合に、20年経過した時点で家が火災等で滅失したとします。この場合、建物を再築すれば、契約満了時に借地権の更新を請求できるから建物を再築しても問題なのでは?と考えてしまいそうですが、そうではありません。

借地借家法7条では、建物の再築について地主の承諾を得て再築した場合には、承諾があった日と、建物が再築された日のいずれが早い日から20年間延長されることになります。逆に言うと、地主の承諾がないで再築してしまうと当初の契約期間満了時に建物を取り壊さなければならないことになってしまいます。

また、借地権の更新後期間中の再築についても、地主の承諾を得た場合には20年間の延長があるのは同様ですが、地主の承諾を得ないで再築した場合には、地主は土地の賃貸借の解約の申入れが可能です。つまり、賃借人は建物を取り壊さなければならなくなります。

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