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「見積りの変更」の開示例

経営財務3043号に「見積りの変更」の開示例がまとめられていたので、備忘も兼ねてまとめておきます。

1.耐用年数変更の事例(以下いずれも2012年3月期第1四半期)

①飯野海運

(会計上の見積りの変更)
従来、耐用年数は主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっておりましたが、飯野ビルが当連結会計年度に稼動することを契機に、以下の設備について当第1四半期連結会計期間より将来にわたり耐用年数を見直しております。この見直しは、当該有形固定資産の使用状況及び陳腐化リスク等の経済的耐用年数を総合的に考慮して決定されたものであります。

耐用年数の変更内容 変更前 変更後
鉄骨造の建物(事務所) 38 年 50 年
昇降機 17 年 20 年
給排水設備・冷凍機・発電機・高圧機器 15年 20 年

これらの結果、従来の方法によった場合と比較し、当第1四半期連結累計期間の営業利益は52百万円増加し、経常損失は52百万円減少し、税金等調整前四半期純利益は52百万円増加しております。なお、セグメント情報に与える影響は「セグメント情報等」に記載しております。

②日新電機

(会計上の見積りの変更)
当社及び一部の国内連結子会社は、従来、機械装置の耐用年数を7年として減価償却を行ってきましたが、当第1四半期連結会計期間において、減価償却方法の変更を契機として、資産の利用状況等を調査し、耐用年数の妥当性について検討した結果、耐用年数を10年に見直し、将来にわたり変更しています。

この結果、従来の方法によった場合に比べ、当第1四半期連結累計期間の営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益は、11百万円増加しています。

③エー・ディー・ワークス
(会計上の見積りの変更)
当社が保有する建物、工具、器具及び備品は、平成23年9月1日付で本社移転を予定していることから、当第1四半期連結会計期間において、移転に伴い利用不能となる資産について耐用年数を当第1四半期連結会計期間の期首から5ヶ月に短縮し、将来にわたり変更しております。 また、現在の本社の不動産賃貸借契約に係る原状回復義務についても、上記のとおり、本社の移転に従い、償却に係る合理的な期間を当第1四半期連結会計期間の期首から5ヶ月に短縮し、将来にわたり変更しております。 これにより、従来の方法に比べて、当第1四半期連結累計期間の営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益は、それぞれ15,882千円減少しております。

④日本電産コパル電子
(会計上の見積りの変更)
当社及び国内連結子会社は、有形固定資産の見積り耐用年数の見直しを行った結果、当第1四半期連結会計期間より、より実態に合致した耐用年数に変更しております。 この変更に伴い、当第1四半期連結累計期間の営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益は、従来の方法と比較し、それぞれ15,410千円減少しております。 当社及び主要連結子会社は、より実態に合致するよう有形固定資産の見積り残存価額の見直しを行った結果、当第1四半期連結会計期間より、有形固定資産の見積り残存価額を備忘価額(備忘価額まで償却)とする方法に変更しております。 この変更に伴い、当第1四半期連結累計期間の営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益は、従来の方法と比較し、それぞれ28,873千円減少しております。


2.退職給付引当金関連(以下すべて2012年3月期第1四半期)

①豊和銀行(数理計算上の差異の償却年数変更)
(会計上の見積りの変更)

退職給付引当金の過去勤務債務及び数理計算上の差異の費用処理年数について、従来、従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数(15年)で費用処理しておりましたが、平均残存勤務期間がこれを下回ったため、当第1四半期連結累計期間より費用処理年数を9年に変更しております。
これにより、従来の費用処理年数によった場合に比べ、当第1四半期連結累計期間の経常利益、税金等調整前四半期純利益は、それぞれ51百万円減少しております。

②日亜鋼業(簡便法から原則法への変更)
(会計上の見積りの変更)
連結子会社の一部において、複数の退職金制度を統合し、退職給付債務の計算対象となる従業員数が300人を超えたため、退職給付債務の算定方法を簡便法から原則法に変更している。
これにより発生した差額143百万円及び退職金制度統合に伴い、過去勤務債務45百万円を一括費用処理したため、当第1四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は188百万円減少している。

なお、退職給付債務の計算方法における簡便法から原則法への変更は、従来「追加情報」として開示が行われてきたので、「会計上の見積りの変更」として取り扱う必要はないものと?考えられます。

3.引当金関連

①アルプス電気(製品保証引当金)-2012年3月期第1四半期
(会計上の見積りの変更)
従来、当社は特定のクレーム費用の発生に備えるため、当該費用の発生額を個別に見積もって製品保証引当金を計上していましたが、個別に見積計上していない製品保証費用について過去の実績率に基づき製品保証引当金を算定するための社内管理体制の構築を進めた結果、当第1四半期連結会計期間においてその体制が整い、新たな情報が入手可能となったことにより、売上高に対する過去の実績率に基づく見積額についても製品保証引当金を計上しています。
これにより、営業利益が26百万円減少し、経常利益及び税金等調整前四半期純利益がそれぞれ185百万円減少しています。

②プロミス(利息返還損失引当金)-2012年3月期第2四半期
(会計上の見積りの変更)
顧客等から利息制限法の上限金利を超過して支払った利息の返還請求があるが、和解に至っていないもの及び過去の返還実績を踏まえ、かつ最近の返還状況を考慮し返還見込額を合理的に見積もって、利息返還損失引当金及び利息返還金のうち営業貸付金に充当される見積返還額を貸倒引当金(以下、利息返還に関連する引当金)として計上しておりました。
当第2四半期連結会計期間においては、平成22年6月の貸金業法完全施行による総量規制の導入や同年9月の同業大手による会社更生法適用申請による影響等についてもデータの分析が進み、足下においてより精緻な利息返還に関連する引当金の見積りが可能となり、その結果、利息返還に関連する引当金の追加繰入を行いました。
これにより、営業損失、経常損失及び税金等調整前四半期純損失がそれぞれ201,400百万円増加しております。

③三井化学(環境対策引当金)-2012年3月期第2四半期
(会計上の見積りの変更)
従来より、環境対策を目的とした支出に備えるために環境対策引当金を計上しておりましたが、相当程度の工事の進捗に伴い、より精緻な見積りが可能となったため、見積りの変更を行いました。これに伴い、当第2四半期連結会計期間において、従前の見積り金額と今回の見積り金額との差額を収益として認識しました。

これにより、当第2四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は2,194百万円増加しております。

4.資産除去債務関連

①三菱製鋼
(会計上の見積りの変更)
当第2四半期連結会計期間末において、環境対策費が浄化範囲・浄化工法の見直しにより、当連結会計年度の期首時点における見積額を超過する見込みであることが明らかになったことから、見積りの変更を行っており、それに伴う増加額350百万円を特別損失に計上し、変更前の資産除去債務残高に加算しております。
これにより、当第2四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益が350百万円減少しております。

5.税金関係

①日清紡ホールディングス(課税所得等)

(会計上の見積りの変更)
当社は、過去に計上した子会社株式評価損について、前連結会計年度末時点では連結所得計算における税法上の損金算入要件を満たさないものと判断し、税額及び税効果計算を行っていました。その後、子会社株式評価損に係る法人税法の改正を踏まえ、新たに外部の専門家の意見を徴した上で再検討した結果、税法上の損金算入要件を満たすとの結論に達し、当該評価損を申告減算処理により損金算入して当第2四半期連結会計期間に連結法人税申告書を提出しました。これに伴い、前連結会計年度末における課税所得及び連結欠損金の見積額を当第2四半期連結会計期間において変更して、税額及び税効果計算を行っています。
この会計上の見積りの変更により、当第2四半期連結累計期間の営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ3百万円増加し、法人税、住民税及び事業税が124百万円増加する一方、法人税等調整額が1,662百万円減少し、四半期純利益は1,541百万円増加しています。

日々成長。


 

 

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