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「退職給付に関する会計基準」は割引率の改正が影響大?

経営財務3066号(2012年5月28日)に、先日公表された退職給付に関する会計基準について“ASBJ 改正退職給付会計基準を公表”という記事が掲載されていました。

従来の基準からの主な変更点については、“「退職給付に関する会計基準(企業会計基準第26号)の公表8(その1)”および“(その2)”というエントリで以前書きましたが、経営財務の記事によると割引率に関する基準の変更が実務上は影響が大きそうだと書かれていました。

割引率については以下のように変更されています。
なお、退職給付支払ごとの支払見込期間を反映する方法の例として、以下の二つの方法が示されています。

①退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用する方法

②退職給付の支払見込期間ごとに設定された複数の割引率を使用する方法

この改正により、どのような影響がでるのかについて、経営財務の記事では、「会社によって従業員構成などの状況が異なるため,一概にはいえないが,イールド・カーブによる新たな方法によれば,現在使用している割引率により得られている算定結果より,退職給付債務が大きくなる可能性も指摘されている。重要性基準の適用も含め,適用に向けた検討課題となりそうだ。」とされています。

割引率の算定が面倒くらいにしか考えていませんでしたが、今回の改正によって計算される退職給付債務が増加する可能性が高いというのは確かに重要なポイントだと考えられます。
それでなくとも、従来の遅延認識項目についても負債計上が求められるので、それにPBOの増加も加わるというのはダブルパンチといえそうです。

イールドカーブによる割引計算とは?

イールドカーブによる割引計算といわれても、よくわからなかったので、どういうことか調べてみたところ、大和総研のHPで記載されていた内容がわかり易かったので紹介します。
「例えば計算基準日から向こう1年間のキャッシュ・アウトに関しては1年の期間に相当する金利、計算基準日以降1年~2年の間のキャッシュ・アウトに関しては2年の期間に相当する金利・・・に置き換えるということである。(一般にこうした割引計算は「イールドカーブを用いた割引計算」と呼ばれている。)」(大和総研 HP 「第129回 退職給付会計基準の改正によるPBOへの影響は?~IFRSとのコンバージェンス 割引率の設定方法が変わる~」より一部引用)

では、「従業員構成などの状況が異なるため,一概にはいえない」としつつ、退職給付債務が増加する可能性が指摘されているとはどういうことかですが、これはキャッシュ・アウトが生じるまでの期間が短くなればなるほど、対応する安全債券の利回りも低くなり、割引率が小さくなることに起因することのようです。

つまり、イールドカーブのよる割引計算を行うと、キャッシュ・アウトの大部分について従来よりも低い割引率が適用されてPBOが大きく計算されるということのようです。

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