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出る杭はもっと出ろ!

国際税務入門(その5)-海外進出形態と恒久的施設(子会社及び支店)

少し間が空きましたが、”国際税務入門(その4)-海外進出形態と恒久的施設”の続きです。海外進出形態のうち支店と子会社が残っているので、今回はこれらについてです。

支店設置よりは子会社を設立するというほうが多いのではないかと考えられますので、最初に子会社について確認します。

子会社が恒久的施設と認定されるリスクはあるのか?

子会社は独立した法人なので、恒久的施設なんてそもそも関係ないのでは?という感じがしますが、子会社形態だからといって親会社の恒久的施設として認定されるリスクがゼロというわけではありません

外形的には別法人の形態をとっていたとしても、例えば実質的に親会社の事務所のような位置づけであれば親会社の恒久的施設と認定される可能性はあるということです。

そこまであからさまでないとしても、「親会社が自社の従業員を外国子会社へ出向させた場合にも、恒久的施設認定に留意する必要があります」(国際税務をマスターしたい!と思ったときに最初に読む本 あいわ税理士法人)。

従業員数名で海外子会社を設立して、日本から従業員を出向させるようなケースでは特に気を付けた方がよさそうです。

また、日本の税法及び日本が締結している租税条約上は、範囲に多少の違いがあるものの、自己のために契約を締結する権限のある代理人は恒久的施設に該当するとされています。
そのため、たとえ代理人契約がなくとも外国子会社が実質的に代理人としての役割を果たすような業務を行っている場合には恒久的施設と認定される可能性があります。

支店と恒久的施設

前回「恒久的施設とは?」で書いたとおり、恒久的施設に該当するものなかに「支店」が含まれていますので、海外の支店が恒久的施設に該当するのは明らかです。

日本では海外支店で獲得した所得も含めた全世界所得に対して法人税が課せさられる一方で、支店が所在する国においても恒久的施設たる支店で獲得した所得に対して課税がなされることにより二重課税が発生することになります。

なお、海外支店での所得の計算は、租税条約締結国であれば、一般的に、恒久的施設に帰属する利益の計算方法として独立企業の原則が採用されます。つまり本支店間で任意に売買価格を調整して課税所得の調整を図ることはできないということになります。

そういった点では、移転価格税制に類似しますが、移転価格税制と比べて支店所得の計算には以下の特徴があります。

  1. その国で慣習的に使用されている課税所得の配賦方法がある場合には、その方法による計算結果が独立起業の原則に適合することを条件に、その配賦方法が認められること
  2. 支店が行った物品または商品の単なる購入活動からは、課税所得は生じないこととすること

最後に日本と海外で生じた二重課税は、外国税額控除として日本で課税される税額から控除することで二重課税を排除することができる仕組みとなっています。
しかしながら、全世界所得がマイナスで、海外支店の所得がプラスであるような場合には、外国税額を控除できる税金が日本で発生しないため、このようなケースでは二重課税を排除できないケースも生じます(ただし、その年に控除できなくても3年の繰越が認められる)。

このことは裏を返すと、日本での事業では課税所得が発生し、海外の事業で当面赤字が見込まれるのであれば、子会社ではなく支店形態で海外に進出したほうが全世界所得を減少させることになるため税金面では有利ということも考えられます。

海外にはじめて進出する中小企業では、少々ハードルが高いかもしれませんが、顧問税理士さんなどの力を借りて、きっちりタックスプランニングを図ることが重要です。

日々成長

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