閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

消費税率改正施行日をまたぐ役務提供の前受金等に適用される消費税率

税務通信3537号の税務の動向に「消費税率引き上げ 施行日を跨ぐ役務提供の前受金等に係る適用税率の判定」という記事が掲載されていました。

”「施行日を含む1年間の役務提供(短期前払費用を含む)」への対応については、前回、多くの疑義・混乱が生じたところだ”とされています。前回の消費税率改正時に実際にどうするのか悩んだ部分ですが、この記事によると、以下のような取扱いになるとのことです。

1.原則的取扱い

役務提供に係る消費税の適用税率の判定は、原則として「役務の全部を提供した日(以下、役務提供の完了日)」とされています(消基通9-1-5)。

したがって、施行日(2019年10月1日)前に1年分の保守料金(前受金・前払金)等の全額の受領又は支払が行われた場合でも、「役務提供の完了日」が施行日以後であれば、消費税率10%を適用することが原則となります。

2.「月極め」等の条項が有る場合

1年間の保守契約等であっても、月額の定めが有り、中途解約があった場合、未経過期間分の保守料金等を返還することとされている場合は、毎月役務提供が完了する保守契約と考えられることから、”受領者側が、一括で受領した保守料金等を各月で按分し、毎月収益計上しているものは、1年分の保守料金等のうち、施行日前の部分に「8%」、施行日以後の部分に「10%」を適用することとなる”とされています。

3.「月極め」等の条項が織り込まれていない場合

最近ではクラウドサービスが多く利用されるようになっていますが、クラウドサービスでは年契約すると1,2ヶ月分安くなるような価格設定で、途中で解約しても返金はないというようなサービスも多々見受けられます。

また、パッケージソフトの保守契約についても1年契約のものは途中で解約しても返金はないというものが多いのではないかと考えられます。

このような”「月極め」等の条項が織り込まれていない1年間の保守契約等については、その契約の最終日が「役務提供の完了日」となることが一般的”とされ、”締結した保守契約等の最終日が施行日以後であれば、受領者側・支払側ともに、「10%」を適用することになる”とされています。

上記は原則どおりの取扱いですが、一方で、消費税が8%に引き上げられた時に国税庁から公表された「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税等に関する経過措置の取扱いQ&A(平成25年4月)」の問4に示されていた但し書きの内容についても取り上げられていました。

問4 平成 26 年3月1日に、同日から1年間のコピー機械等のメンテナンス契約を締結するとともに、1年分のメンテナンス料を受領した場合、消費税法の適用関係はどのようになりますか。
【答】
役務の提供に係る資産の譲渡等の時期は、物の引渡しを要するものにあってはその目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しないものにあってはその約した役務の全部を完了した日とされています(基通9-1-5)。
照会の役務の提供は、物の引渡しを要しないものですから、資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日である平成 27 年2月 28 日となります。
したがって、施行日以後に行う課税資産の譲渡等となりますから、原則として新消費税法(新税率)が適用されます。
ただし、契約又は慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を収受したときに収益に計上しているときは、施行日の前日(平成 26 年3月 31日)までに収益に計上したものについて旧消費税法(旧税率)を適用して差し支えありません。

税務通信の記事では、前回の消費税率改正時には上記「”ただし書”に該当するのは、具体的に堂のようなケースが想定されるのか疑義が生じていたところだ」とされ、この「ただし書」に該当するケースとして以下に該当するようなケースが考えられると解説されています。

①契約上、「中途解約があった場合、未経過期間分の保守料金等を返還しない」という条項が織り込まれている。

②例えば、会計上の重要性の観点から、受領時に一括して収益計上できるもので、受領者側が継続して収益している。

「月極め」等の条項が有る場合については、「一括で受領した保守料金等を各月で按分し・・・・」という解説がありましたが、上記があくまで、一括して収益計上している場合のみに限られ、施行日前に、1年分の保守料金全額を一括受領しているものの受領時に収益計上していない場合は、原則通り施行日前の期間分についても10%が適用されるということになるようです。

ということは、役務の提供側からすると10月以降に販売する年間保守契約等については消費税率10%で請求しておきたいところですが、これは現実的ではありません。前もって10%で請求するのが難しい場合、9月決算会社が4月から翌年3月の年間保守契約等を販売している場合、上記の考え方でいうと、2019年4月~9月分についても10%が適用されるということになりますが、システム上の制約など色々考えると、途中解約で返金がない場合であっても、期間按分していると、施行日前分は8%、以後分は10%で計算するというのが現実的な気はします。

ただし、上記から消費税の取扱いとしては正しくないということになってしまいますので、やはり今回も悩ましい・・・。

関連記事

  1. 消費税転嫁対策法による転嫁拒否とは(その1)?

  2. 消費税(その8)-個別対応方式勘定別留意点2

  3. 消費税10%引上時の経過措置を確認-改正令(2014年9月30日…

  4. 海外支店取引にも要注意-国外事業者からの役務提供

  5. 収益認識会計基準の注記事項等が明らかに

  6. 太陽光発電の売電収入は課税売上だそうです




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,839,349 アクセス
ページ上部へ戻る