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「資本剰余金」を減資とする配当をきちんと伝達されずに面倒なことになったらしい

2019年8月22日付けで東証から”「資本剰余金」を減資とする配当に関する留意事項について(日本証券業協会からの要請に基づく通知)”なるお知らせがやってきました。

資本剰余金を原資とする配当を実施すると、資本の払戻に相当する部分が生じるため、利益剰余金の配当と同様に処理してしまうと税務上の処理を誤ることとなります。

何故このような通知がなされたのかについて、要請元の日本証券業協会の資料によれば、”今般、一部の上場会社において、「資本剰余金」を原資とする配当に係る情報が、関係各所に適切に伝達されず、証券会社において源泉徴収等の事務がやり直しとなり、投資家において確定申告の修正が必要となるケースが発生いたしました”と記載されています。

「資本剰余金」を原資とする配当を行う側に関与する可能性は低そうですが、仮にそのような配当を上場会社が行う場合には、以下の点に留意することが要請されています。

①「資本剰余金」を原資とする配当を行う場合には、株式事務代行機関にその旨を伝達するほか、証券会社に対して、みなし配当の額や純資産減少割合など、株主に交付する金銭等に関する情報の通知を行う。

②「剰余金の配当」の決定に係る適時開示において「配当原資が剰余金である旨」及び「純資産減少割合」を記載する。

②については、会社情報適時開示ガイドブック(2018年8月)のP.479の「Q.配当原資に資本剰余金が含まれる場合、どのような配当の状況を記載すればよいですか」に対する回答で記載例が示されています。

今回通知された「資本剰余金」を原資とする配当を巡る問題は、「一部の上場会社において」と複数の会社であったことなのか、1社のみなのかは定かではありませんが、そのうち1社は株式会社エボラブルアジアが該当します。

同社は2019年3月4日に開示した”(訂正・数値データ訂正)「平成30年9月期決算短信[IFRS](連結)」の一部訂正”の訂正理由に以下のように記載しています。

当社の2018年12月25日を効力発生日とする当社第12期(2018年9月期)期末配当は「その他資本剰余金」を原資とする「資本の払戻し」に該当し、「配当所得(みなし配当を含む)」にあたらない部分がございます。
しかしながら、今回、配当原資について、配当支払に至る過程での当社と株主名簿管理人である信託銀行等との連携が不十分なことにより証券保管振替機構への交付金銭等情報通知が遅延したこと等を起因として、配当所得として処理されているため、本来源泉徴収が不要である一部の株主様に関して誤って源泉徴収を行っている事象が生じております。

同社のIR情報ページには現時点においても「お詫び」として説明資料が掲載されていますが、”今回の配当金は、「その他資本剰余金」を原資とした「資本の払戻し」に該当し、所得区分が「みなし配当」部分と「みなし配当以外」の部分に分かれます。「みなし配当」部分は、税務上の配当所得として源泉徴収の対象となります。一方、「みなし配当以外」の部分については、「みなし譲渡損益」が発生することとなり、税務上の配当所得にはあたらず、源泉徴収の対象にも配当控除の対象にもならないため、確定申告の際はご注意ください。”と記載されています。具体的な金額等を使った説明もなされているので、税務や会計の知識がなくとも、概念は理解しようと努力すれば理解できるかもしれませんが、具体的にどのように申告すればよいのかなどはやはり一般人にはハードルが高いと思われます。

一般株主は、配当の原資が利益剰余金であるか資本剰余金であるかによって、何かがかわるとは考えていないのが普通だと思いますので、配当する側としても総会の議案にあげる際に、資本剰余金を原資とする配当の場合には、その旨を説明するようにするということも必要なのではないかと思われます。

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