東京電力のCDSスプレッドの推移
そういえば東京電力のCDSスプレッドはどうなっているのかと、久しぶりにJ-CDSのサイトで確認したらかなり上昇していました。
(出典:J-CDSサイトより)
東京電力のCDSスプレッドは、震災後1カ月位は400ベーシスポイント前後となっていたのが、株価すら0にならずに済みそうだとう楽観的なムードになったためか、200ベーシスポイント位に低下していました。ところが、枝野氏が金融機関に債権放棄を求める発言をしたため5月13日以降急上昇し、ここ数日はまた低下してきています。
枝野氏の発言からすれば、増資によって資金調達が困難なうえ銀行からも借りられないということになり倒産するしかないということだと考えられますが、CDSスプレッドが低下してきていることからすると、政府の重要な役職者の発言もあまり信用されていないということの表れではないかと思います。
以前も書きましたが、電気料金の値上げ云々を議論する前に、少なくとも株主は責任を負うべきだと考えます。倒産すれば債権者(社債の保有者や銀行など)も資金を回収できないのが原則ですが、2010年12月末時点で固定負債に計上されている社債が4.5兆円、長期借入金が1.5兆円存在し、これらが回収できないとすると銀行は当然として、当該社債を組み込んでいる年金ファンド等もかなりの影響を受けることが予想されます。
結果的には自分たちに相当部分跳ね返ってくることになるように思いますが、変に例外を設けて整理が遅れるのであればフレッシュスタートを切るというほうがよいのではないかと感じますし、それが原則的な処理です。
その上で必要なリストラを進め、発電、送電、配電の分離という議論も含めて検討するのが本筋ではないかと思います。
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