閉じる
閉じる
閉じる
  1. 非財務情報開示強化に向けた動向
  2. 監査法人ハイビスカスに対する行政処分等を勧告
  3. 借入暗号資産の時価評価による評価損計上は可能?
  4. 賃上げ税制、宣言未達成でも適用の適否に影響なし
  5. 四半期報告書が廃止されても中間監査の復活はないようです
  6. 受取配当等益金不算入制度で多い誤りとは?
  7. メール送信する請求書ドラフトは電帳法対象外を応用すると…
  8. 四半期開示は結局どうなる?
  9. 取締役会議事録に記載しなければならない事項
  10. 意見不表明は極めて例外的な状況のみに許容される
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

貸倒実績ゼロだった会社で、主要取引先が倒産したら貸引の繰入率はどうなる?

取引先が少なかったり大手を代理店として代理店販のみを行っているような会社では、幸運にも今まで貸倒が発生したことがないということがあります。

このような過去3年の貸倒実績率がゼロの場合に、貸倒引当金をゼロにしてもいいかという点については、金融商品会計実務指針Q&AのQ40で取り上げられており、広く認識されている点だと思います。

一応結論だけ確認しておくと「企業の業務の特性や債権の内容から、過去において貸倒れの実績がなく、将来においても発生の可能性がないと合理的に予想される場合には、貸倒引当金繰入額はゼロとなります」とされています。というわけで、貸倒実績率の算定期間以前も含めて一度も貸倒が発生していないような場合は、本当に危ないというような取引先がなければ貸倒引当金を計上しないということもあるわけです。

このような会社で、不幸にも最初の貸倒が発生し、かつそれが主要顧客(例えば売掛金の30%を占める)だった場合に、貸倒実績率はどのように計算すべきかが問題となります。

もちろん単純に(0%+0%+30%)÷3=10%という考え方もありますが、あまり実態を反映した率とは考えられません。これなら、設立10年で初めての貸倒であれば、30%÷10=3%というほうが実態に近いといえるのではないかと思います。

そこで、金融商品会計実務指針を確認してみると、全く記憶にありませんでしたが、貸倒実績率法以外に第111項で「その他の方法」というものが述べられていました。

第111項
企業の保有する一般債権の信用リスクが毎期同程度であれば、将来発生する損失の見積りに当たって過去の貸倒実績率を用いることが最も適切であるが、期末日現在に保有する債権の信用リスクが、企業の債権に影響を与える外部環境等の変化により、過去に有していた債権の信用リスクと著しく異なる場合には、過去の貸倒実績率を補正することが必要である。
また、企業が新規業態に進出した場合等、過去の貸倒実績率を用いることができない場合又は適切でない場合には、同業他社の引当率や経営上用いている合理的な貸倒見積高を採用することが必要となることもある

上記記からすると、過去の貸倒実績率を用いることができない場合又は適切でない場合には、貸倒実績率以外の率を使用することが必要と考えられます。

過去貸倒実績がなかった場合に、主要取引先に貸倒が発生した場合には、「経営上用いている合理的な貸倒見積高」なんてものは存在しませんので、「同業他社の引当率」を使用するのが一つの方法となります。

ただし、同業であっても取引先が同質とはいえないというような場合には同業他社の引当率を使用するのも合理的とはいえないということになってしますし、同業他社の計上に応じて毎期見直すのも違和感が残ります。

この他で考えられるのは、法人税法で中小企業等に認められている貸倒引当金の繰入率がありますが、今まで貸倒実績がなかったような会社が適用するには若干率が高いように感じますし、景やはり一定率というのは合理的ではないように思います。

いずれにしても貸倒実績が生じた以上、何らかの貸倒引当金を計上すべきということにはなると考えられますので、実務的には、過去3年ではなく貸倒が発生するまでの期間で実積率を計算するか、取引先をいくつかのカテゴリーに区分して引当の対象となるものを絞るなどして、現実的な引当額を作り込むということになるのではないかと思います。

日々成長

関連記事

  1. 四半期報告書における3カ月情報の開示-任意も、CF計算書の傾向か…

  2. 年金資産の内訳作成時の留意事項(金融庁より)

  3. 貸倒実績率算定方法の経過措置-一定の債権等を有する法人の場合

  4. 海外の2019年会計にまつわる事項トップ10とは?

  5. 金銭信託の会計処理

  6. 債権債務の相殺消去等で生じた換算差額の処理




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 11,989,329 アクセス
ページ上部へ戻る