閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

「国税記者 実録マルサの世界」-田中周紀著

以前、”「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」の違いは?”というエントリで紹介した「国税記者 実録マルサの世界」ですが、途中に他の本の割り込みがあったりしてなかなか読み進めませんでしたが、ようやく読み終わりました。仕事に直接関係ない本は後回しになりがちです。

さて、この本で紹介されている脱税の事例は、それなりに面白いので興味がある方は読んで頂くとして、関係者として登場する人物等に関連して面白いことが書いてあったので二つ紹介します。

まず、一つ目が宗教法人を使った脱税に関連する話(第5章)の中で、『東京三菱銀行を頼った「地上げのプロ」』として、脱税の容疑者(逮捕されているものの公判は継続中とのこと)に地上げの資金を融資したのが東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)であったと述べられています。

筆者曰く、この容疑者は裏社会と関係が深いとのことであり、そのような容疑者とメガバンクが関係を持っていることが不思議としつつ、三菱銀行(当時)の別件の融資の返済に暴力団経由で介入しており、その時に三菱とのつながりができたと思うという関係者の証言を紹介しています。

約10年前の地上げにであり、当時は今ほど「反社」にうるさくなかったということかもしれませんが(個人的にはそんなことはないはずだと思いますが・・・)、銀行が容疑者がどのような人物であるかを把握していなかったということはないと思います。

こんなところで名前が出てしまうとは、三菱東京UFJ銀行も思っていなかったのではないでしょうか。

二つ目は、前経団連会長の御手洗冨士夫氏についてです。御手洗氏についても脱税の案件の関係登場人物
として、色々と記載されています。

例えば、「御手洗は社長就任後、東京都新宿区にあったキヤノン本社(当時)の内装工事を「日建」一社に発注するなど、公私混同を疑われるような行動をとるようになる」と述べられています。この「日建」というのが、同書で紹介されている脱税の首謀者の会社で、同郷の御手洗氏に上手く取り入ってキヤノンの関連工事の「仕切り屋」として暗躍した人物とされています。

また、御手洗氏は役員や部長の前でこの首謀者ほど気が利くやつはいないと言って憚らなかったとされており、キヤノン社内では「まるで私設秘書のようだ」と顰蹙を買っていたとされています。

さらに、キヤノン関連の工事は戦前から大林組が一社だけで受注してきたが、御手洗氏が社長になってからは清水建設なども受注できるようになり、これはこの脱税の首謀者が「俺にコンサルティング料をよこせば仕事をまわしてやる」と持ちかけた結果とされています。キヤノン関連の工事では、交渉の席にこの首謀者が必ず出てきて、まるで役員のようであったともされています。

最終的にこのような状況が、鹿島建設を巻き込んだ脱税事件に発展していくわけですが、記載されている内容を読んでいる限りにおいて御手洗氏にも相当責任があるように感じられる内容となっています。御手洗氏は脱税に関与していなかったというのが救いではありますが、それにしてもキヤノンあるいは経団連会長というイメージからは程遠い内容で、イメージと内実はやっぱり相当異なるということなんだと改めて感じました。

日々成長

関連記事

  1. 平成27年度税制改正(その2)ー法人税関連

  2. 消費税(その12)-課税売上割合の算出2

  3. 事業所税の確認(その1)

  4. 日本国債の格下げ

  5. 令和2年分の給与支払報告書は前倒しで提出したほうがよいらしい

  6. 連結納税(その4)-導入のメリット(損金算入限度額が大きくなる可…




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,893 アクセス
ページ上部へ戻る