気がつけば監査法人が変わっていたタマホーム
前回取り上げた鳥貴族で、連想して思い出したのが、2013年3月に上場したタマホームです。
同社では、上場間もない2013年11月に連結子会社での不正が発覚し、第三者委員会が設置されました。”上場直後なのに子会社で不適切な処理が発覚-タマホーム”というエントリでこの件については取り上げましたが、その後の顛末についてはフォローしていませんでした。
そこで、確認してみると2014年2月に第三者委員会による立派な報告書と、それに関連して「第三者委員会の調査報告に基づく再発防止策について 」という開示が行われています。
ここまではある意味普通なのですが、タマホームの場合、2014年2月28日をもって有限責任監査法人トーマツが会計監査人を辞任し、その後一時監査人として監査法人A&Aパートナーズが選任されています。
不正が発覚したことを契機として、監査法人が変更になることはめずらしくはないのですが、上場直後ともいえるタイミングで監査人が変更になるのはめずらしいケースではないかと思います。
というのも、監査法人もIPO前の監査報酬は低めに抑えて、上場後に回収フェーズに入るというのが一般的ではないかと考えられるためです。
第三者委員会の報告書には、以下のようにトーマツの名前が登場している部分があります。
白石監査役作成の平成 25 年 3 月 1 日付監査調書によれば、有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」という。)のff会計士より、代金回収について、事故防止のため営業員を一人ではなく、複数で行わせるよう指導を受けていた外、同監査法人のgg会計士からは、受注契約計上及び工事完了引渡の 2 ヵ所について会計上の売上証憑についてチェック機能が働いていない、売上計上がノーチェックの場合、前倒し計上のリスクがあるとの指摘も受けている。特に後者については、この時点で上記指摘を受けて詳細を調査していれば、完工の時点について認識が統一されておらず、恣意的に完工時期を早期化させることが行われていたという本件取引の問題点(その詳細については、上記 1.(5)(d)参照)をより早く発見できた可能性もある。
上記からすると、トーマツの指摘に対して適切に対応がとられていなかったという面は伺えますが、一時期ほど監査法人がリスクをとらなくなっているというわけではないので、それでもなおトーマツが監査人を辞任した理由は気になります。
同社の株価は以下の通り、右肩下がりで推移していますが、果たした今後どのように推移していくのでしょうか。
(出典:Yahooファイナンス)
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