上場直後に一転営業赤字転落を公表したgumi-繰延税金資産の計上が見込める?
2014年12月18日東証1部に直接上場した株式会社gumi(4月30日決算)が昨日(2015年3月5日)に業績予想の下方修正を公表しました。
従来の通期予想は連結売上高309.7億円、営業利益13,2億円、経常利益12.7億円、当期利益8億円でしたが、これを売上265億円、営業利益△4億円、経常利益△6億円と赤字予想となりました。
上場直後にやってしまったという感じで、上場後3340円からジリジリと下げ続けて2500円前後で推移していた株価は一気に500円(ストップ安)下げて2081円となっています。信用で買っていた人は悲惨な目にあっていそうです。
3Qの実績は売上高206.2億円、営業利益4.2億円、経常利益2.9億円、当期利益△2.2億円となっています。それで何故通期で営業損失に転落するのかですが、理由としては売上計画の修正が主な理由としてあげられています。
9ヶ月で売上が206億円であることから考えると通期で売上265億円というのは売上が大きく落ち込んだという感じではありませんが、「海外展開を積極的に進めていたために上昇した固定費が利益を圧迫」したため営業損失に転落したとのことです。
固定費が増加しているとのことですので、海外での売上が今後も好転しないようであれば損失から抜け出せないという可能性もありそうです。会社は本日付で30億円の借入をすることを取締役会で決議した旨をリリースしています。
連結総資産の約8割が現金及び預金(189億円)という状態で、更に借入をするか?という気もしますが、借りられるうちに借りておこうということなのかもしれません。
興味深いのは、業績予想の修正のリリースにおいて「当期純利益については、繰延税金資産の計上が見込めるため、法人税等調整額が当期純利益に対しプラスに寄与する」とされている点です。
上場時のIの部では、14年6月期も13年6月期も繰延税金資産に対しては全額評価性引当金が計上されており繰延税金資産の計上額は0円となっています(単体も同様)。連結ベースでも単体ベースでも両年ともに経常損失を計上しており、繰延税金資産に回収可能性がないと判断されたのだと推測されますが、今期も損失見込みであるにもかかわらず、今期は繰延税金資産の計上が見込まれるのは何故なのだろうというのは気になります。
業績予想が最もシビアに見られる新規上場後に業績予想の下方修正をした会社が、来期は利益が見込めると予想しても回収可能性があると判断するのは難しそうです。
繰延税金資産の内訳をみると減価償却超過額が3.4億円、5.7億円と増加してきているのでこの認容で課税所得の発生が見込まれるということなのかもしれませんが、何か他の要因があるのだろうか・・・
果たして通期でどうなるのか、6月に確認したいと思います。
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