海外への出向者(非居住者)が日本に出張した場合の留守宅手当と源泉
T&A masterのNo.604に「留守宅手当、出張者の源泉で当局が確認」という記事が掲載されていました。
日本から、海外への出向者に対して、現地での給与との差額を補填するために留守宅手当を支給するということはよく行われています。
この留守宅手当については、出向元が支払っても海外勤務に対する者であるため源泉徴収の対象とはなりません。ここまではよくある話ですが、上記の記事で取り上げられていたのは、非居住者となっている海外出向者が出張で一時的に日本に帰国し、当該従業員に対して留守宅手当を支給していたらどうなるのかという点です。
結論としては、出向元の日本企業の仕事で出張するようなケースであれば、日本への出張部分の留守宅手当については国内源泉所得となり、源泉徴収の対象となる可能性が高くなるとのことで、実際に税務調査で否認されているケースもあるとのことですので注意が必要です。
なお、外国法人の従業員が当該外国法人の仕事で日本に出張し短期間滞在した場合には、租税条約が締結された国で、以下の要件をすべてみたす場合には短期滞在者免税が適用されます。
- 日本における知財期間がその年を通じて183日以内であること
- 報酬を支払う雇用者は日本の居住者ではないこと
- その報酬が日本国内に雇用者が有する支店等の恒久的施設により損金計上されない
海外への出向者への留守宅手当については、出向元の日本企業で支払われ損金計上されますので、上記3の短期滞在者免税の要件には該当しなくなり、結果として国内源泉所得となりうるということのようです。
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