平成25年度税制改正による住民税利子割の廃止-平成28年1月1日以後支払分
法人に入金された利息の手取額が予想よりも多かったので、はて?と思って確認してみたところ、住民税利子割による影響でした。
すっかり忘れていましたが、平成25年度税制改正によって平成28年1月1日以後支払われる利息や配当等に係る利子割が廃止されることとなっていましたので、利息等の入金にあたっては、所得税(復興特別所得税含む)15.315%のみが源泉されて支払われることになっています。
3月決算を前提とすると、2016年3月期は4月~12月分が従来通りですので、今回から事務作業が軽減されるとういうことはないと思いますが、次年度以降は「利子割額の都道府県別明細書」の作成が不要となるので無駄な事務作業が一つなくなります。
なくなってみると、住民税として源泉徴収された利子割を、法人税割から控除するという処理は一体なんだったのだろうという気すらしてしまいます。
住民税利子割については、事務処理が簡便になるだけで基本的に税額に影響はないと考えられますが、平成25年度税制改正では所得税額控除についても改正が行われています。
所得税額控除については、従来源泉徴収された所得税等の額のうち、元本の所有期間に対応する部分の額のみが所得税額控除の対象とされていました。そのため、個別法または銘柄別間便法により以下の別表六(一)で所有期間割合を用いて控除を受ける所得税額を算出する必要がありました。
しかしながら、平成25年度税制改正によって、預貯金の利子等一定のものについては元本の所有期間にかかわらず全額を所得税額控除として税額控除をうけることが可能となっています。平成25年度税制改正によって全額控除可能とされたものの主なものには以下のようなものがあります。
一方で剰余金の配当、利益の配当、投資信託の収益の分配(合同運用信託、公社債投資信託、公社債等運用投資信託を除く)、割引債の償還差益については、残念ながら従来通り、元本保有期間に応じた部分の所得税額控除が認められるという点に変更はありません。
これに伴い平成28年1月1日以後開始事業年度において使用される別表六(一)では以下のように様式が変更されています。
元本保有期間を勘案しなければならない株式の配当等については、以下の別表六(一)付表に記載するという建て付けになっています。この部分は従来どおりではありますが、一定のものだけだとしても全額税額控除をとれるのも、事務の手間が省けるのもありがたいと思います。
日々成長