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監査法人の継続監査期間開示、早期適用は83社

2020年3月期の有価証券報告書から開示が求められる「監査の状況」欄における監査法人の「継続監査期間」の開示を早期適用し、2019年3月期の有価証券報告書に記載した会社が83社あったとのことです(経営財務3422号)。

経営財務誌の調査によれば早期適用して開示した83社のうち半数以上(45社)が期間「1~15年」であったとのことです。最近では、会計監査人の異動の適時開示における異動理由において、8年程度であっても、「長期にわたり」というような表現を用いている会社があったり、監査継続の最長期間を10年と定めている会社がでてきているなど、継続期間が何年なら長期と考えるのかは人によって感じ方が随分異なると思われるものの、監査人を交代する際の会社側の負荷を考えると、個人的には15年位まであれば特に長期という感じはしません(仮に監査法人のローテーションが義務付けられるならば、単なる個人的な感覚にすぎませんが、10年から15年くらいの間で年数が設定されるのが無難ではないかと考えています)。

継続期間が「1~15年」の会社で早期適用により開示した会社が多かったというのは、特に問題ない期間であるという認識があったためではないかと考えられます。

15年を超える期間で早期適用した会社のうち「15年~30年」の会社が22社、残りの16社は継続期間が31年以上となっていたとのことです。開示されていた最長期間は68年(「1951年以降」、EY新日本、食料品)で、これに次いで58年(あずさ、不動産業)となっていたとのことです。

日本で証券取引法に基づく上場会社の監査が開始されたのが1951年とされていますので、上記の68年は日本における最長期間ということになると考えられます。ちなみに、米国では、以前、”米国の会計監査人在任期間100年超が3社”で記載したとおり、S&P株価指数100構成銘柄のうち100年を超える会社が3社存在するそうです。

継続監査期間の記載方法については「○年間」や「○年」という記載が83社中63社と主流で、これに「○年以降」、「○年○月以降」、「○年○月期~」というような記載が10社で続いているとのことです。

個人的には直接「○年」という記載をするのが利用者にとってもわかりやすくてよいと考えますが、一方で、決算期を変更しているような会社の場合、「○年」という記載だと、端数をどうするのかというようなこともあるので、「○年○月期~」というような記載を選択するということもあると考えられます。

監査継続期間をどのように算定するのかについては、真面目に考え出すとどこからカウントすればいいのかということが問題となりますが、この点についてパブリックコメント36に対する回答として以下のような見解が示されています。

ご指摘の継続監査期間については、例えば、以下のとおり整理することが考えられます。
① 提出会社が有価証券届出書提出前から継続して同一の監査法人による監査を受けている場合、有価証券届出書提出前の監査期間も含めて算定する。
②-ⅰ 過去に提出会社において合併、会社分割、株式交換及び株式移転があった場合であって、会計上の取得企業の監査公認会計士等が提出会社の監査を継続して行っているときは、当該合併、会社分割、株式交換及び株式移転前の監査期間も含めて算定する。
②-ⅱ 過去に提出会社において合併、会社分割、株式交換及び株式移転があった場合であって、会計上の被取得企業の監査公認会計士等が提出会社の監査を行っているときは、当該合併、会社分割、株式交換及び株式移転前の監査期間は含めないものとして算定する。
③-ⅰ 過去に監査法人において合併があった場合、当該合併前の監査法人による監査期間も含めて算定する。
③-ⅱ 提出会社の監査業務を執行していた公認会計士が異なる監査法人に異動した場合において、当該公認会計士が異動後の監査法人においても継続して提出会社の監査業務を執行するとき又は当該公認会計士の異動前の監査法人と異動後の監査法人が同一のネットワークに属するとき等、同一の監査法人が提出会社の監査業務を継続して執行していると考えられる場合には、当該公認会計士の異動前の監査法人の監査期間も含めて算定する。
 継続監査期間の算定に当たっては、上記の整理も踏まえ、基本的には、可能な範囲で遡って調査すれば足り、その調査が著しく困難な場合には、調査が可能であった期間を記載した上で、調査が著しく困難であったため、継続監査期間がその期間を超える可能性がある旨を注記することが考えられます。
 また、継続監査期間の記載方法については、「●年間」と記載する方法のほか、「●年以降」といった記載も考えられます。

 
 上記の回答の最後のほうにある「その調査が著しく困難な場合には、調査が可能であった期間を記載した上で、調査が著しく困難であったため、継続監査期間がその期間を超える可能性がある旨を注記することが考えられます」というようなケースを適用することとなる会社がどれくらいあるのだろうという気がしていましたが、実際には上記83社のうち3社でこのような記載があったとされています。
 
 確認したところ、そのような記載を行っていたのは株式会社リコー(継続期間37年・あずさ)、アクシアルリテイリング株式会社(継続期間31年・トーマツ)、シナネンホールディングス(継続期間36年・EY新日本)の3社でした。
  
 アクシアルリテイリング株式会社では「当社が株式上場した以後の期間について調査した結果」とされていることから、上場以前に監査を受けていた期間があった部分について確証がとれなかったということのようです。
 
 上記の他、「○年以上」とした会社が2社あったとされ、これも表現こそ違うものの、実質的には上記の3社と同様、いまいちはっきりしない期間があったということではないかと思われます。
 
 早期適用した会社の状況から推察すると、単に年数を記載するだけではありますが、上場後30年以上経過しているということになると、すべての経緯を知る人が会社に残っていないというようなことも考えられ、書類の保管状況によっては、把握が容易ではないということは比較的起こりうることのようです。

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