IPO会社の監査法人、4大監査法人以外の割合が増加
経営財務3567号によると、2022年上半期のIPOは48社で、このうち大手4法人は24社(50%)となったとのことです。
大手の監査報酬がIPOといえども普通に高い報酬が求められるようになっており、価格交渉をするなら引き受けないというようなこともあるようです。したがって、大手以外の監査法人が選択されるということも増える傾向にあるのはわかりますが、気づけば50%まで下がっていたというのは驚きです。
ただし、上記のIPO48社にはTOKYO PROが11社含まれているので、一般的にイメージされるIPO会社と傾向が異なる可能性があるため、PROマーケット以外の東証IPO会社36社(残り一社は名古屋)について、監査法人を確認してみたところ、36社中21社(58.3%)が4大監査法人となっていました。
21社の内訳は、トーマツ8社、新日本7社、あずさ5社、あらた1社となっています。社数でみると太陽が4社、京都と仰星が各2社で、あとは1社がA&A、アーク、かがやき、ひびき、大有、東陽、普賢となっています。
太陽の社数が増加してきているというのは近年の傾向としてありましたが、それにしても一般的にイメージされるIPO会社でも4大法人の割合が6割を切ってきているというのは興味深い傾向です。
なお、TOKYO PROを含む社数に対する4大法人の割合については、前年上期は60.3%、2020年上期は63.2%であったとされています。
上場市場別(新市場区分ベース)にみると、プライム1社、スタンダード8社、グロース27社、ネクスト(名証)1社、TOKYO PRO 11社となっています。再編前の区分ではマザーズのIPOが最多という傾向が継続していましたので、グロースが最多という傾向は従来通りとなっています。
業種別にみると、数が多いのはサービス業18社、情報・通信業11社、不動産業6社となっています。なお、2022年上期にIFRSを適用して上場した会社はなかったとのことです。
当面この傾向が継続するのではないかと思われます。