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日本基準で連結範囲の変更が認められIFRSの任意適用を延期-GCAサヴィアン

今年3月にIFRSの任意適用を発表していたGCAサヴィアン株式会社が5月13日にIFRSの任意適用を延期する旨を発表しました。

同社のリリースでは「従来の日本基準において当社子会社が運営する投資事業有限責任組合(ファンド)を連結除外することにより上述の目的を達することが妥当であるとの判断に至りました」と述べられていますが、経営財務3163号によると『「IFRSであれば連結からはずせることがわかっていた」ので3月にはIFRSの任意適用の公表に至った』とのことで、連結が求められていたファンドを連結から外すことがIFRS任意適用の主な目的だったようです。

IFRSの任意適用よりも前に、おそらく会社と監査法人の間で、幾度となく重要性が乏しいから連結から除外すべきだ、いやそれは認められないというようなやり取りが繰り返されて来たのではないかと思います。

そして、ついに会社は、IFRSを適用すれば連結しなくてもいいなれIFRSを任意適用するという決断を下したのだと思います。

その後、何があったのかはわかりませんが、監査法人も問題となっていたファンドを連結の範囲から除外することに合意し、(めでたく?)同社は日本基準を継続して適用することとなりました。同社の2014年12月の四半期報告書の連結範囲の変更には以下のように記載されています。

当社の100%子会社である株式会社メザニンが運営するMCo1号投資事業有限責任組合、MCo2号投資事業有限責任組合及びMCo3号投資事業有限責任組合(以下、ファンド)については、株式会社メザニンが無限責任組合員として業務執行権を有することから、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)により、実質的に支配していると判定され、2013年12月期までファンドを連結しておりました。しかしながら、ファンド事業開始から数年が経過し、ファンドからの投資実行・回収が年々活発になるに伴い、出資比率が1%程度であるにもかかわらず、ファンドの投資実行・回収の有無に当社グループの連結財政状態・経営成績が大きく左右されるようになってきており、実態から乖離してきております。また、今後設立予定のMCo4号投資事業有限責任組合からは2014年2月に新たなファンド運営会社として設立したMCo株式会社による展開を企図しており、これを機にファンド事業のさらなる拡大が見込まれることから、そのような乖離は一層大きくなることが予想されます。そのため、当社は、当第1四半期連結会計期間においてファンドを連結の範囲に含めることが利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれが生じたと判断し、連結財務諸表規則第5条第1項第2号の規定に基づき、当第1四半期連結会計期間よりファンドを連結の範囲から除外しております。なお、当該連結の範囲の変更は、当四半期連結会計期間に属する連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与えます。当該影響の概要は、連結貸借対照表の総資産の減少、連結損益計算書の売上高の減少であります。

有価証券報告書をさかのぼってみると、2008年12月期から上記で登場する「MCo1号投資事業有限責任組合、MCo2号投資事業有限責任組合」は連結の対象となっています。そして、同社の連結の業績は以下のように推移しています。
2014-05-21_1
(出典:2013年12月期有価証券報告書より)

確かに、第4期から第6期を経常利益までの数値が大きく変動しています。そして、たとえば売上高が前期に比較して大きく減少している第5期の有価証券報告書の業績等の概要には以下のような記載があります。
「前連結会計年度比での売上高、営業利益、経常利益減少の主因は、前連結会計年度に計上されていたファンドにおける優先株式の回収が無かったことにありますが、その影響額の99%が外部投資家に帰属するため、当社グループの純利益への影響は1%であります。」

そのうえで、ファンド非連結の数値を合わせて開示し、「当社グループの出資割合がそれぞれ1%である3つの投資事業有限責任組合(ファンド)を除いた業績(ファンド非連結ベース)は以下のとおりであり、全ての項目で前連結会計年度比で大幅に増加しております」という説明が行われています。

会計上のルールはルールとし、上記のような開示を追加で行えばよいという考え方もあるでしょうが、数値として直接目に入る部分のインパクトが大きいため、最終的な利益に与える影響に重要性がないのであれば連結から外したいという会社の主張は理解できます。

やはり、気になるのは、このタイミングで上記のファンドを連結から外すことになぜ監査法人が合意したのかです。今後さらに、ファンドを連結することによる実態との乖離が大きくなるとしても、従来程度の影響であれば、連結の範囲に含めることが利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがあるとは認められなかったということであれば、監査上の重要性も結構大きいのだろうか・・・。

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