平成27年3月期の有報から女性役員の人数開示義務化が決定
以前”平成27年3月期有報から役員の男女比率の記載が必要になるようです-内閣府令改正案”で書いた内閣府令の改正案が、10月24日に公布されました。
平成27年3月31日以後に終了する事業年度を最新事業年度とする有価証券届出書及び当該事業年度に係る有価証券報告書から適用されるということですので、3月決算の会社では今年度の有価証券報告書から適用されることになります。
改正後どのようになっているかを第三号様式で確認すると以下のようになっています。
あまり目立った改正ではありませんが、【役員の状況】というタイトルと表の間に「男性 名 女性 名(役員のうち女性の比率 %」という記載が追加されています。
そして「(記載上の注意)」の(36)に「a 役員の男女別人数を欄外に記載するとともに、役員のうち女性の比率を括弧内に記載すること。 」が追加されています。
なお、実際の記載方法について、「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 」でいくつか参考になる点が明らかにされています。
委員会設置会社における記載方法
委員会設置会社において、(1)取締役の状況と(2)執行役の状況に項目を区分して記載している場合、男女比は別々に記載が必要か?
(金融庁の考え方)
役員の男女別人数及び女性の比率の開示を目的としているので、委員会設置会社の場合には、取締役及び執行役の男女別人数及び女性の比率をまとめて記載することで足りると考えられる。
また、取締役と執行役を兼務している者はダブルカウントせず1名として計算すべき。
四半期報告書における記載方法
役員の異動があった場合、四半期報告書では「異動後の役員の男女別人数を記載するとともに、役員のうち女性の比率を括弧内に記載すること。」(記載上の注意(17)b)とされいるが、役職の変更のみの場合、男女別の人数、比率の記載は不要か?
(金融庁の考え方)
不要という理解で問題ない。
総会前に有価証券報告書を提出する場合
「有価証券報告書を当事業年度に係る定時株主総会前に提出する場合で、役員の選任に関する議案が定時株主総会等の決議事項とされているときに、役員の選任に関する議案の概要を記載することになると考えられるが、当該議案の概要と併せて当該議案が承認可決されたと仮定した場合の役員の男女別人数及び女性の比率の記載をする必要はないという理解でよいか。」
(金融庁の考え方)
役員の選任に関する議案の内容と併せて、定時株主総会における議案が承認可決されたと仮定した場合の役員の男女別人数及び女性の比率を記載すべき
会計参与が法人の場合の取扱い
「会計参与が法人である場合、女性の比率の算定において当該法人を除く役員(つまり男女)を分母とするという理解でよいか」
(金融庁の考え方)
「ご理解のとおりです。 」
その他
上記の他、「貴重なご意見として承ります」とされているコメントで面白と感じたのが、以下のコメントです。
「本件改正案は、役員の男女別人数を記載するとともに、役員のうち女性の比率を括弧内に記載することとしており、当該会社における女性役員の人数及びその割合が明らかになると思われる。 しかし、各役員の氏名等のみでは、必ずしも当該役員が男性であるのか女性であるのか判断できず、どの役員が女性であるのか必ずしも明確にならず、妥当でない。例えば、女性である役員が代表取締役であるのか、それとも平取締役や監査役であるのかによって、当該会社に対する評価は、大きく異なる。
したがって、各役員の氏名等に加え、当該役員の性別も記載することとするべき。」
現時点では概ね名前から判断できそうですが、男性でも女性でもありうる名前というのもありますので、今後キラキラネームを持つ役員が増えてきたら、男性か女性か判別できないというケースも増加するかもしれません。それより前に、読み仮名が必要ということかもしれませんが・・・
日々成長