閉じる
閉じる
閉じる
  1. 記帳代行受任も当座勘定照合表の確認義務はなし-東京地裁
  2. 上場基準の情報漏洩で野村証券に改善命令が出されるそうです
  3. LIBOR公表停止になっても、ヘッジ会計は継続可能?
  4. 最近の会計監査人の異動の状況を確認
  5. スキャナ保存の入力期限等を緩和する方向で電子帳簿保存法が改正へ
  6. 平成31年度税制改正を確認(その3)-法人税
  7. 2019年3月期上場会社株主総会の集中日は6月27日
  8. 取締役の報酬・解任を巡るトラブル
  9. 平成31年度税制改正を確認(その2)-法人税
  10. 軽減税率対応のPOSレジでも誤った処理の可能性?
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

どんなときもwifi

「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の公開草案

2011年2月24日に日本公認会計士協会から,「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正案(公開草案)が公表されました。意見募集は3月17日までですが、基本的には平成23年度税制改正に対応したものであるので、税制改正の行方によっては大幅に修正される可能性があります。この場合、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」への対応部分のみの改正になるものと予想されます。

まず、法人税法上の減価償却方法の改正内容を簡単に確認しておくと、平成23年4月1日以後に取得する減価償却資産について、定率法の償却率が従来の250%から200%に引き下げられます。?この税制改正(予定)に対応して、税制改正に応じた減価償却方法の変更が認められるのかを明らかにしたのが今回の改正です。

考え方は、基本的に平成19年改正の時と同様ですが、今回予定されている改正で200%定率法という新しい償却方法が追加されるため、平成19年度税制改正前の旧定額法又は旧定率法、平成19年税制改正後の定額法又は定率法(250%定率法)、平成23年度税制改正後の定率法(200%)定率法の五つの選択肢が存在することになります。

公開草案では、以下のように整理されています(公開草案 V 平成23年度税制改正に係る監査上の取り扱い 3.減価償却方法の選択 表2)。

—————————————————————————————-

———————————————————————————–

まず、以下の①~③の要件を満たす場合には、同一種類で同一用途の資産について、類似の減価償却方法を採用するものと認められるため、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更として追加の理由は不要で正当な会計方針の変更と認められます。

<要件>

①法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却費として処理していること

②既存資産のうち平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産がある場合に当該資産に旧定率法を採用していること

③既存資産のうち平成19年4月1日以後取得した減価償却資産がある場合に当該資産に250%定率法を採用していたこと

したがって、平成19年税制改正時に既存資産も含めて250%定率法に変更しているような場合には②の要件を満たさないので、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更とは認められず、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱われることになります。したがって、相当の理由が必要となりますので変更は難しくなります。

<250%定率法を継続適用することの可否および既存資産の取り扱い>

従来、平成19年4月1日以後取得の減価償却資産について250%定率法を採用していた場合に、平成23年4月1日以降取得の減価償却資産について、各企業の事業活動、資産の使用状況等を勘案して250%定率法を継続した場合には、会計方針の変更には当たらないとされています(公開草案第50項)。

“各企業の事業活動、資産の使用状況等を勘案して”という文言が気になります。250%定率法は、法人税法の定め以外にその合理性を説明するのが通常は困難だと思いますので、「各企業の事業活動、資産の使用状況等を勘案」した結果、250%定率法を継続するのが妥当といえるような理由があるのかは甚だ疑問です。

強いてあげるとすれば、同種の資産を3月31日と4月1日に取得した場合に償却方法が異なるのはおかしいということですが、そもそも250%定率法が合理的であることの説明にはなりません。

このように考えると、実質的に250%定率法を継続適用するという選択肢はとりえないのではないかと感じてしまいます。

また、予定されている平成23年税制改正では、現行の償却率による定率法を採用している減価償却資産については、平成23年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることにより、その償却率を改正後の償却率に変更することができるとされています。

そこで、このような既存資産の償却率の変更が会計上、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更として認められるかが問題となりますが、この場合は、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更として認められず、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱われます(公開草案第51項)。したがって、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由には該当しないことになります。

200%定率法を合理的に説明することは難しいと考えられますので、既存資産の償却率を変更するのはかなりハードルが高いように感じます。

以上のように考えると、平成19年3月31日以前取得の減価償却資産については旧定率法、平成19年4月1日以後取得の減価償却資産は250%定率法、平成23年4月1日以後取得の減価償却資産は200%定率法という選択が無難と言えそうです。

ただし、この先にあるIFRSの適用を考えると合理的な説明が困難な多数の償却方法が存在するのは好ましくないように思え、悩ましいところだと思います。

いずれにしても、税制改正が3月末までに成立するのかどうかを注意しておく必要があります。

日々成長

関連記事

  1. 減価償却の次は収益の認識基準?-出荷基準からの変更ブームがやって…

  2. 中外製薬が2013年12月期よりIFRSの任意適用へ

  3. 消費税(その7)-個別対応方式勘定別留意点1

  4. 会計士の税理士登録-税法科目合格は見送りへ

  5. 富士フイルムがゼロックスを買収するのは世界展開が目的?

  6. 前受収益に適用されるのは正常営業循環基準 or 1年基準

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー



ブログ統計情報

  • 7,999,183 アクセス
ページ上部へ戻る