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携帯電話の電磁波が人体に及ぼす影響

電磁波が人体に悪影響を与えるという話は何度か耳にしたことがあるのではないかと思いますが、「携帯電磁波の人体影響」(矢部 武著 集英社)で紹介されている内容が興味深かったので紹介します。

最近では、高校生でも携帯電話を持っているのがあたり前で、小学生でも防犯の観点から携帯電話を持っているケースも多いようですが、この本を読んで大丈夫かなと感じました。

同書では、海外の動向が紹介されています。
まず、米国では、携帯電話が原因で脳腫瘍になったという訴訟を起こす消費者が増えているそうです。ただし、巨大な資金力・影響力を有する携帯電話業界が、そうした訴えに対抗しており、携帯電話会社が敗訴した判決はまだないそうです。

訴訟社会といわれる米国ならでは、という感じはしますが、米国では、業界の巧みな説得により安全性試験なしで携帯電話が米食品医薬品局(FDA)に認可されたという経緯があるそうです。

業界の説明では、携帯電話が人体に害を及ぼすとしたら、電子レンジのような電磁波の熱によって人体組織が加熱される場合であるが、携帯電話の電磁波は少量のエネルギーなので心配ないということです。

ところが、最近では、携帯電話の健康影響が熱の強さとは無関係の非熱作用によってもたらされるとする研究発表もあるとのことです。この非熱作用により、遺伝子損傷、脳腫瘍、白血病などの影響が懸念されているそうです。

また、携帯電話の長期使用者やヘビーユーザーなどの間で脳腫瘍のリスクが高まるという調査結果が世界で発表されているそうです。

しかしながら、一方で米国立がん研究所のロバート・フーバー博士の「携帯電話使用と腫瘍の発生に関連があるとは思えない」というような主張もあり、米政府機関は、現時点では科学的な証拠はないとして携帯電話の使用を制限するような勧告は出していないということです。

米国では上記のとおりですが、フィンランドやイスラエルでは人体へ悪影響を及ぼす可能性を否定できないものとして、国民に携帯電話の使用を制限するよう勧告を出しているそうです。例えばフィンランドでは09年1月に政府が、「親が子供の携帯電話使用を制限し、できるだけテキストメッセージの送受信に限定するように」との勧告を出しているとのことです。

欧州議会では、09年4月に、携帯電話に基地局も加えた電磁波曝露の規制強化を求める決議「電磁波による健康影響の懸念」を圧倒的多数で採択されています。この決議では、「携帯電話基地局は学校や託児所、病院、老人ホームなどから一定の距離を置いて設置すること」「周辺住民への電磁波曝露の健康影響に関する情報提供を徹底する」など、いくつもの項目が盛り込まれています。

決定的な根拠がなければ規制を行わない米国と、疑わしくは予防するという欧州諸国の対応の違いが興味深いです。さらに言えば、何も問題とされない日本という感じでしょうか・・・

米国ユタ大学にオム・ガンジー博士という、子供の脳がいかに携帯電磁波の影響を受けやすいかを専門に研究している方がおり、その博士の調査によると子供は大人よりもはるかに多い熱量を吸収することがわかったとのことです。原因は、子供の頭蓋骨や皮膚が大人よりも薄いため電磁波の熱を通しやすいからだそうです。

たしかに、30分くらい携帯電話で通話していると携帯電話がかなり熱をもつのは多くの方が経験されていることだと思いますし、子供の方が影響を受けやすいというのも直観的にも理解しやすい内容です。

今後の研究結果が待たれるところですが、やはり怖いのは、何十年も先になって、問題が起こる、害があるものということが定説となる可能性があるということだと思います。

特に日本では、国の対応が遅そうなので自己の判断で対応していくしかないように思います。

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