メンタルヘルス(その1)
だいぶ前から職場におけるメンタルヘルスの重要性については言われていることは認識していましたが、仕事での関与先で、「うつ病」等により長期に休職している方がいるということがここ1、2年で急に増えたような気がします。
実際、「うつ病」等の気分障害を発症している人がどれくらいいるのかを、厚生労働省のHPで確認したところ、「患者調査」(3年ごとに実施され、直近は平成20年)のデータを時系列にまとめた以下の表が掲載されていました。
上記の推移からすると既に平成14年、平成17年と大幅に増加しているので、個人的に最近増加したような気がするのはたまたまなのか、平成23年でさらに増加しているのかはわかりませんが、少なくとも気分障害とされる方が平成20年時点で104万人いるということは明らかです。
上記では、労働を原因として気分障害になった方の割合は分かりませんが、全人口に対する割合でも1%に近いことからすると、割合的には従業員が100人いれば1人位は気分障害を発症する従業員がでてくる可能性があるといえます。
従業員が100人というと、決して小さくはないですが、かといって全員の顔と名前が一致する位の規模なので、使用者からすると、従業員に目が行き届きやすく「うつ病」等になるようなことはないと考えるかもしれません。しかし、個人的な感覚では、実際にこのくらいの規模の会社でも「うつ病」等で長期に休職を余儀なくされている従業員が増えている気がします。
「うつ病」等の増加は、子供のころからの学校教育に起因する日本特有の減少なのかと思いましたが、実際にはそうではないということが分かりました。
WHOが2004年に発表したGlobal Burden of Disease(2004 Update)によると寿命を短くする病気等の2004年のトップ10および2030年のトップ10の予想は以下のようになっています。
(出典: THE GLOBAL BURDEN OF DISEASE 2004 UPDATE Part4)
2004年で第3位、2030年で第1位となっている「Unipolar depressive disorders」というのが「単極性うつ病」です。上記から、日本に限らず世界的に患者が増加しており、さらに増加が見込まれるということが伺えます。
なお、国の所得水準別にみた場合に寿命に影響する病気等の順位は以下のようになっていました。
上記表から、国の所得水準が中程度以上になると「うつ病」が一番大きな要因となるという特徴があるようです。
日本は失われた20年と言われながらも、High-imcome countriesに含まれますし、仮に衰退してMiddle-income countriesとなってもやはり「うつ病」をケアする必要性が高いと言えそうです。
メンタルヘルスについても今後書いていこうと思います。
日々成長。