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ストックオプション発行と有価証券届出書の作成義務

今回はストックオプションと有価証券届出書(あるいは有価証券通知書)の関係についてです。
前提として、ストックオプションは新株予約権の一種なので、金融商品取引法(以下「金商法」とする)上、有価証券に該当します(金商法第2条1項9号)。

ここで問題となるのは、有価証券の発行については有価証券届出書を提出する義務を負う可能性があるという点です(金商法第4条)。有価証券届出書は、公認会計士の監査が必要となりますので、予期せずに提出しなければならないとなると非常に大変な事態となります。

勧誘する人数と発行価額の総額によって、原則として以下のように定められています。ストックオプションではあまり問題とはならないかもしれませんが、ここでのポイントは実際に有価証券を取得した人数ではなく「勧誘」する人数が50人以上かどうかで判断が必要となるという点です。
なお、ストックオプションの場合の「発行価額の総額」の「発行価額」とは、ストックオプションの場合、当該新株予約権証券の発行価額または売出し価額の総額に当該新株予約権証券に係る新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額とされています(企業内容等の開示に関する内閣府令第2条第4項2号(以下「開示府令」という))ので、総額が1億円を超えることも十分考えられますので注意が必要です。

さらに、50名未満の勧誘であっても6月間の通算により50名以上となる場合(金融商品取引法施行令1条の6(以下「金商法施行令」という)、開示府令2条4項3号)や、1億円未満の募集・売出しであっても1年間の通算により1億円以上となる場合(開示府令2条4項2号)等は、有価証券届出書の提出が必要となるという点も注意が必要です。

だとすると、公開準備中に従業員50名以上にストックオプションを付与したら有価証券届出書を作成して提出しなければならないのかが問題となります。

この点については、当該ストックオプションに譲渡制限が付されており、かつ発行会社あるいは100%子会社の取締役・会計参与・監査役・執行役または使用人を相手方として勧誘等を行う場合(金商法施行令第2条の12、開示府令第2条1項、2項)は、有価証券届出書等の判定を行う際の「勧誘する人数」に含めなくてよいものとされています。

つまり、一定の要件を満たすストックオプションであれば、従業人200人にストックオプションを付与して、発行価額の総額が1億円を超えても有価証券届出書の作成および届出は不要となります。

ケースとしてはあまり多くはないと思いますが、上場準備等に関連して外部のコンサルタント等にストックオプションを付与した場合はどうなるかについても述べておきます。

この場合は、上記の一定要件を満たすストックオプション以外で、有価証券届出書等の提出要件に合致すれば有価証券届出書の作成および届出が必要となります。

なお、有価証券通知書については監査等は不要で作成するのも大した手間ではありませんが、金商法4条6項において募集等が開始される日の前日までに提出しなければならないとされています。したがって、提出していなければ法令違反となりますので、上場準備会社では特に注意が必要と考えられます。

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