閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

オリンパス社の「のれん」の内訳が開示されました-金融機関向け説明資料より

11月17日付でオリンパスから「過去の損失計上見送り及び第2四半期報告書提出に関する追加情報について」という文書がリリースされました。

この文書自体にたいしたことは書かれていませんが、金融機関向けにおこなった説明会の資料が添付されており、そのなかで「のれん」の残高が以下のように開示されていました。

(出典:11月16日 金融機関向け説明資料より)

2011年3月末時点の「のれん」残高の約8割が話題のジャイラス社関連で、優先株買い取りに関するFA手数料(334億円)の「のれん」がなくなる可能性があると脚注で説明されています。可能性があるというようりは「可能性が高い」とすべきなのではないかと思います。

10年以上も経営陣が損失の繰延を引き継いできたという体質から、なんでも疑わしく見えてしまうだけかもしれませんが、金融機関向けの説明資料も本当に反省しているのかと見えてしまいます。

資料の構成は以下のようになっています。

1.今回の経緯と対応について

2.事業の状況

3.業績について

4.財務状況

最初に「今回の経緯と対応について」が来るのは当然ですが、この章の最後に「ガバナンス強化」として記載されている「当社が考えるこれまでの問題点」として掲げられている事項は、

・経営トップに権限が集中し、且つ長期の体制

・経営執行会議・取締役会における意思決定のプロセス

・経営の監督機能の脆弱性

・ステークホルダーへの開示 等

とされています。

率直に言って、同意できるのは「経営の監督機能の脆弱性」だけで、あとはそれっぽく見せるために無理やり考えたものという感じがしてなりません。というよりも、何故「経営の監督機能の脆弱性」が一番目に挙げられていないのか甚だ疑問です。

「経営トップに権限が集中し、且つ長期の体制」でもトップがしっかりした人であれば問題はないですし、問題があるトップを選ぶ体制が問題とは考えなかったのでしょうか?

また、「ステークホルダーへの開示」が問題だと認識するのであれば、「経営執行会議・取締役会における意思決定のプロセス」の何が問題だったのかくらいは記載すべきではないかと思います(金融機関には口頭で補足したのではないかと推測されますが・・)。

次に「事業の状況」とされていますが、実際に記載されているのは成長戦略です。なぜ、話題となっている「のれん」よりも先に「事業の状況」しかも成長戦略を記載するのか?

記載されている内容を順をおってみていくと、まず内視鏡について世界シェアの70%を占めており技術も高いということが書かれています。内視鏡という金のなる木をもっているので本業は大丈夫なので、融資を継続して下さいというアピールでしょう。

次に外科・処置具として「ジャイラスとのシナジー製品(電気メス)を今年度投入予定」という説明が大きく書かれています。

シナジー製品を投入するということをアピールすることによって、買収の正当性とFA手数料以外の「のれん」は減損の必要がないことのアピール目的だと思います。

一番気になるのは、このシナジー製品とやらはもともと「今年度投入予定」のものであったのかという点です。この期に及んで、買収の正当性を証明するため無理やり製品投入を急がせるというようなことがないことを祈ります。開発を急がせたこと等により製品不具合が医療事故につながるようなことはないようにお願いしたいところです。

そして中国等の新興国についてふれ、最後は「2019年度(創業100周年)、売上1兆円へ向けて」と、伝統をアピールしています。伝統ある会社なのでつぶさないで下さいということでしょう。

さらに、本当に反省しているのか疑わしくなる「ドクターから寄せられたメッセージ」としてオリンパス製品に対する医師からの応援メッセージが記載されています。それなら、最初のガバナンス強化の前に投資家から寄せられたメッセージでも記載すべきでしょう。

他の事業についても述べられた後、業績等について述べられていますが「のれん」を除いてはそれほど興味を引くものはありません。

上場を維持して課徴金で済ますということも検討されているようですが、これだけ悪質なケースで上場が維持されてしまうとすると、安定した本業を持つ課徴金を払える会社は粉飾OKといっているようなものなので上場は廃止にすべきと考えられます。

日々成長

関連記事

  1. 債権債務の相殺消去等で生じた換算差額の処理

  2. 2012年3月期(平成24年3月期)から適用開始となる会計基準等…

  3. エフオーアイの粉飾-主幹事証券に責任認めず(東京高裁)

  4. 会計監査人の責任限定契約は増えている?

  5. 物上保証を行っている場合のBS注記事例

  6. 共通支配下の事業譲渡における税効果がよくわかりません




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,879 アクセス
ページ上部へ戻る