タバコの増税は見送られましたが、禁煙を推進するにはこんな方法もあるようです-オーストラリアのパッケージ規制法案
東日本大震災の復興増税案に織り込まれていたたばこ税の増税については、今月10日に民主・自民・公明の3党が増税対象からたばこ税を除外することで合意したとのことですので、増税は見送られることになりました。ちなみに、当初の案では、たばこ税は1本あたり国税分1円、地方税分1円の計2円を増税し、2・2兆円を確保する方針でした。
確かに先日大幅に値上げしたばかりという感じがするので、また値上げでは喫煙者からの反発も強いだろうという気はしますが、葉タバコ農家への影響を懸念する自民党が強く反発したためと報道されています。
私は非喫煙者なのでタバコが値上がりしようがあまり気になりませんが、確かに前回の値上げを機に禁煙を試みる人が周りでも増えている気がします。
禁煙場所が増加するなど喫煙者は肩身の狭い思いをすることが多くなっていますし、禁煙を助けるニコチンパットのような手段も増加しているので、値段が急激に上がれば禁煙を選択する喫煙者も増加すると考えられるので、タバコの生産者に与える影響は大きいと思います。
たばこ増税が検討される場合には、一方で医療費の削減がお題目に上がることがあります。価格をあげれば需要量が減って、がんなどの治療にかかる医療費が減少するという理屈だと思いますが、価格をあげる以外にもこんな手があるという法案がオーストラリアの上院で可決されました。
どんな法案かというと、タバコのパッケージにメーカのロゴを入れることを禁止し、タバコのパッケージは規定にそったデザイン以外は禁止するというものです。
さらにタバコによる害を説明する写真や説明書きが必要とされています。
具体的にどんなパッケージかというと以下のようなパッケージだそうです。
(source:Commonwealth of Australia (2010). Public consultation on plain packaging of tobacco products)
少なくとも非喫煙者の立場から言わせてもらえば、このようなパッケージのタバコを吸う気にはならないという気がします。いくらおいしい料理であっても見た目がグロテスクだと食欲をそがれるのと同じではないかと思います。
もっとも、中身を移し替えるような箱が販売されるようになるのでしょうが・・・
たばこメーカーの立場からすれば、いままで築き上げてきたブランド(ロゴ)が台無しになるわけなので、知的財産権の侵害だという反発があるようですが、上院は通過してしまったということで、すごい国だなと思います。
このようなパッケージが売上増加に結びつかないことは確かだと思いますので、葉タバコ農家への影響を考慮するのであれば、日本ではこのようなパッケージが導入されることはないでしょう。
未成年者の喫煙意欲を削ぐという意味では、なかなかいいアイディアではあるように思いますが、オーストラリア以外にもこのような動きが広がるのか注目です。
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