閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

200%定率法も平成24年4月1日以降取得分から適用開始

12月2日に改正法人税が公布されたのと同時に、改正法人税法施行令が公布・施行されています。

この結果、定率法による減価償却が、従来の250%定率法(定額法の2.5倍の償却率)から200%定率法(定額法の2倍の償却率)への改正が実現しましたので、200%定率法について確認します。

1.適用時期

200%定率法が適用されるのは、平成24年4月1日以降取得分の固定資産からとなっています(改正法令48の2条1項2号ロ(2))
「平成24年4月1日以降取得分」が原則ですが、3月決算以外の会社では同じ期に取得した固定資産であるにもかかわらず取得したタイミングで償却計算方法が異なってしまうことになってしまいます。

そのため経過措置が設けられており、平成24年4月1日より前の開始事業年度で平成24年4月1日以後終了事業年度(改正事業年度)において取得したものは、平成24年4月1日以後の取得であっても250%定率法による償却限度額の計算ができるとされています(改正法令附則3条2項)。

2.200%定率法に統一する場合の手当て

200%定率法を採用する場合、250%定率法が適用されている固定資産については従来の方法を継続し、200%定率法の適用が強制される固定資産については200%定率法を適用するというのが普通だと思いますし、日本基準上もそのような処理で基本的には問題ないと考えられます。会計上の取扱いについては“200%定率法が会計に与える影響”というエントリで以前書いたのでそちらをご覧ください。

ところが、200%定率法にしても、250%定率法にしても経済的便益の費消パターンに応じて減価償却を行っていくという理屈とは全く無関係で、単に税法でそのように定められているにすぎません。このことは、法人税率を引き下げて課税ベースを拡大する必要があるので、250%定率法から200%定率法へ改正されたという経緯からしても明らかです。

だとすると、敢えて200%定率法に統一することもないのではないかと思いますが、既存資産についても200%定率法に統一することも認められます。この場合、償却額が従来よりも小さくなってしまうため、何も手当しないと当初の耐用年数では償却が完了しないという事態が生じてしまいます。

そこで、改正付則3条3項で平成24年4月1日以降最初に終了する事業年度の申告期限までに届け出を行うことによって当初の耐用年数で償却を完了することができるとされています(改正法令附則3条3項)

3.資本的支出の特例措置の廃止

従来は、減価償却資産の個数を増やしたくない法人に配慮して、既存の減価償却資産(旧減価償却資産)、資本的支出(追加償却資産)ともに償却の方法として定率法を採用しているときは、その翌事業年度開始の時に、その時における旧減価償却資産の帳簿価額と追加償却資産の帳簿価額の合算額を取得価額とする一の減価償却資産を、新たに取得したものとすることができました(法令55条4項)。

この取り扱いが改正され、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産と平成24年4月1日以後にした資本的支出により取得したものとされた減価償却資産とを一つの減価償却資産とすることはできないものとされました(改正法令55条4項)。

これは、資本的支出によって取得した資産を250%定率法で償却することを制限するための改定ということです。

以下長くなりますが、附則第3条の1項から4項を転載しておきます。
————————————————————————–
(減価償却資産の償却の方法等に関する経過措置)
第三条

新令第四十八条の二第一項(減価償却資産の償却の方法)の規定は、法人の平成二十四年四月一日以後に終了する事業年度の新令第四十八条第一項(減価償却資産の償却の方法)に規定する償却限度額の計算について適用し、法人の同日前に終了した事業年度の改正前の法人税法施行令(以下「旧令」という。)第四十八条第一項(減価償却資産の償却の方法)に規定する償却限度額の計算については、なお従前の例による。


法人が、平成二十四年四月一日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度(以下この条において「改正事業年度」という。)においてその有する減価償却資産(新令第四十八条の二第一項第二号又は第三号に掲げる減価償却資産に限る。以下この項及び次項において同じ。)につきそのよるべき償却の方法として新令第四十八条の二第一項第二号ロに規定する定率法(以下この項及び次項において「定率法」という。)を選定している場合(その償却の方法を届け出なかったことに基因して新令第五十三条(減価償却資産の法定償却方法)の規定によりその有する減価償却資産につき定率法により新令第四十八条第一項に規定する償却限度額の計算をすべきこととされている場合を含む。)において、当該改正事業年度(次項の規定の適用を受ける事業年度を除く。)の同日以後の期間内に減価償却資産の取得をするときは、当該減価償却資産を同号ロ\に掲げる資産とみなして、次項並びに新令第四十八条の二第一項(第二号又は第三号に係る部分に限る。)、第四十八条の三(適格分社型分割等があった場合の減価償却資産の償却の方法)及び第五十五条第四項(資本的支出の取得価額の特例)の規定を適用することができる。


法人が、平成二十四年四月一日の属する事業年度においてその有する減価償却資産につきそのよるべき償却の方法として定率法を選定している場合(その償却の方法を届け出なかったことに基因して新令第五十三条の規定によりその有する減価償却資産につき定率法により新令第四十八条第一項に規定する償却限度額の計算をすべきこととされている場合を含む。)において、当該事業年度の新法第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書の提出期限(同日の属する新法第七十二条第一項(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)に規定する期間について同項各号に掲げる事項を記載した中間申告書を提出する場合には、その中間申告書の提出期限)までに、次に掲げる事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出したときは、その届出書に記載された第二号に規定する事業年度以後の各事業年度における新令第四十八条の二第一項(第二号又は第三号に係る部分に限る。)、第四十八条の三及び第五十五条第四項の規定の適用については、その減価償却資産(新令第四十八条の二第一項第二号ロ]に掲げる資産及びその届出書に記載された第二号に規定する事業年度において同条第五項第二号イに規定する調整前償却額が同項第一号に規定する償却保証額に満たない資産を除く。)は新令第四十八条の二第一項第二号ロ]に掲げる資産とみなす。

一 この項の規定の適用を受ける旨
二 この項の規定の適用を受けようとする最初の事業年度(改正事業年度又は平成二十四年四月一日以後最初に開始する事業年度に限る。)開始の日及び終了の日
三 その他財務省令で定める事項


新令第五十五条第四項の規定は、法人が平成二十四年四月一日以後に減価償却資産について支出する金額(改正事業年度の同日以後の期間内に減価償却資産について支出する金額につき同条第一項の規定により新たに取得したものとされる減価償却資産について第二項の規定の適用を受ける場合のその支出する金額(以下この条において「経過旧資本的支出額」という。)を除き、改正事業年度の同日前の期間内に減価償却資産について支出した金額につき旧令第五十五条第一項(資本的支出の取得価額の特例)の規定により新たに取得したものとされる減価償却資産について前項の規定の適用を受ける場合のその支出した金額(以下この条において「経過新資本的支出額」という。)を含む。)について適用し、法人が同日前に減価償却資産について支出した金額(経過旧資本的支出額を含み、経過新資本的支出額を除く。)については、次項に規定する場合を除き、なお従前の例による。
————————————————————————

日々成長。

 

関連記事

  1. 申告期限の延長は決算日から最長6ヶ月に-平成29年度税制改正大綱…

  2. 旧経営陣解任の総会への委任状返信に3,000円のクオカードの可否…

  3. 高率返戻率の保険契約はもはや契約困難らしい

  4. 減資と住民税均等割の関係

  5. 電子帳簿保存法・スキャナ保存の承認申請書が一部簡素化

  6. 時価純資産法の評価益に適用する税率は?-最終年度の事業税の取扱い…




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,839,276 アクセス
ページ上部へ戻る