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「平成23年12月改正 法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」(その2)

今回は前回の続きで、国税庁から平成24年2月に公表された「平成23年12月改正 法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」についてです。

前回積み残しになっていた「資本的支出の取得価額の特例」の内容について確認します。
この「資本的支出の取得価額の特例」の内容を確認する前提として、まず原則的な取り扱いを確認しておきます。

法人の有する減価償却資産に資本的支出を行った場合は、法人税法施行令55条1項において「その有する減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとする」とされています。。

つまり、同じ種類の別々の資産とされるのが原則となります。

この原則に対する例外として特例が定められているわけですが、250%定率法から200%定率法に改正されたこととの関係がどうなっているのかを確認していきます。

1.平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産で定率法を採用しているものに対して平成24年4月1日以降に資本的支出を行った場合

平成19年3月31日以前の取得資産というのは、250%定率法が導入される前に取得した資産で、旧定率法(本来的な定率法)で償却されている資産となります。
平成19年3月31日以前の取得資産については、資本的支出の金額をその減価償却資産の取得原価に加算することができます(法人税法施行令55条2項)。

これは、平成19年3月31日以前取得資産に適用されている定率法は耐用年数経過時に残存価格まで一定率で償却していくという意味で理論的な定率法で、250%定率法(あるいは200%定率法)と比較すると当初の償却額が少なく計算されることになるので、税務上は旧定率法の適用資産の取得原価に合算するのはウェルカムということになります。

逆にいうと、当初の減価償却費の算入限度額を大きくしたいのであれば、旧定率法適用資産について平成24年4月1日以降に資本的支出を行った場合、資本的支出を別個の資産として取り扱ったほうがよいと考えられます。

2.平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した減価償却資産で定率法を採用しているものに対して平成24年4月1日以降に資本的支出を行った場合

これは、250%定率法を採用している減価償却資産について、平成24年4月1日以降に資本的支出を行った場合となります。

従来250%定率法が適用されていた減価償却資産について、資本的支出を行った場合は、その資本的支出を行った事業年度の翌事業年度の開始時において、両者の帳簿価額を合算して一の減価償却資産を新たに取得したものとすることが認められていました(改正前法人税法施行令55条4項)。

償却率が同じであれば、一つの資産と取り扱っても影響がないということだと考えられます(償却保証率等との関係で、別個の資産と取り扱った場合と影響があるのかないのかは考えたことはありませんが・・・・)。

しかしながら、平成23年税制改正により200%定率法に変更され、適用される償却率が異なることとなるため、今後は上記のような合算は認められないことになります。

逆の観点からすると、200%定率法が適用される平成24年4月1日以後取得資産について、資本的支出を行った場合は、両方の資産が200%定率法で償却されることになりますので、この場合は、翌事業年度期首に両資産を合算することが認められるということになります。

この点についてQ&Aでは以下の図が記載されていました。

(「平成23年12月改正 法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」 Q8)

なお、3月決算の会社以外は平成24年4月1日を含む事業年度に限り、平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産についても250%定率法を採用することが認められていますが、この特例により250%定率法を適用した資本的支出(減価償却資産)がある場合で、元の減価償却資産が250%定率法で償却されている場合は、同じ償却率が適用されることになりますので翌期首に合算して一の資産と取り扱うという特例を利用することが可能です。

この点についてQ&Aでは以下の図が記載されていました。


(「平成23年12月改正 法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」 Q9)

最後に、従来250%定率法を適用していた減価償却資産について届出により200%定率法を適用することとした場合にどうなるのかですが、この場合も基本的な考え方は同様のようです。

つまり、資本的支出の対象となった減価償却資産も資本的支出も200%定率法で償却されるのであれば、翌事業年度の期首において両者の帳簿価額を合算して一の資産として取り扱うことが認められます。

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