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出る杭はもっと出ろ!

消費税(その7)-個別対応方式勘定別留意点1

しばらく間があきましたが、今回は『消費税「個別対応方式」適用ガイド』(あいわ税理士法人)において、個別対応方式の勘定科目別論点として取り上げられた主な内容を確認していきます。

なお以下では、便宜上、
「課税売上にのみ要するもの」を「課税のみ扱い」
「課税売上と非課税売上に共通して要するもの」を「共通扱い」
「非課税売上にのみようするもの」を「非課税扱い」
と表記します。

1.福利厚生費

(1)社員旅行の費用

原則としては共通扱いとなる。
ただし、製品の製造部門所属の従業員分を明示することができるときは、その分については課税のみ扱いとすることができると考えられるとされています。

(2)保養所の取得費及び維持費

原則としては共通扱いとなる。
ただし、「保養所の利用に際し、従業員から使用料を収受するケースにおいては、従業員から収受した使用量が保養所に係る宿泊サービスの対価としての性格を有するため、当該収受した対価の額は課税売上に該当することとなり」、「保養所の運営費用等は課税売上のためだけに要した費用として特定できることから「課税売上にのみ要するもの」に区分されます。」とされています。

なお、使用料を収受しさえすれば課税扱いとしてよいというわけではなく、使用料の金額が著しく低額である場合には「使用料の収受が課税資産の譲渡等に該当しないものと認定される可能性も否定」できないとされているので、注意が必要だと考えられます。

(3)社宅や従業員寮の維持費、借り上げ料

社宅や従業員寮の借り上げ料は、住居の貸し付けに該当するため非課税仕入となりますが、社宅等を取得した場合における取得費や水道光熱費・修繕費等の維持費は課税仕入れとなり、これらの取扱いが問題となります。

結論としては「当該課税仕入れの用途区分は従業員から負担金を徴収するか否かで変わります」とされています。

つまり、従業員へ有償貸付を行う場合には、当該貸付が非課税売上のため、非課税のみ扱いとなるのに対して、無償貸し付けであれば、直接紐付く売上がないため共通扱いとなります。

2.地代家賃

(1)同一ビル内に課税売上の発生部門と非課税売上の発生部門がある場合の地代家賃

フロアがわかれているような場合には、それぞれに対応する賃料等も明確に区分されていると思いますので、問題となることは少ないのではないかと思いますが、契約上一本で管理されている同一フロアに課税売上の発生部門と非課税売上の発生部門がある場合にどうするのかが問題となります。

この場合は、原則的に共通扱いとなると解説されています。

ただし、合理的な基準で按分できる場合には、課税のみ扱いと非課税のみ扱いに区分することが認められているので、使用面積割合で両区分に按分することは問題ないと考えられるとされています。

(2)同一フロアに営業部門と管理部門がある場合、地代家賃を合理的な基準により按分することは可能か

この場合、原則として地代家賃は共通扱いになると解説されています。

ただし、面積等の合理的な基準を用いて、課税のみ扱いと共通扱いに区分することもできるのではないかという見解が示されています。

なお、この点については、消費税基本通達では共通扱いのものを課税のみ扱いと非課税のみ扱いに区分することを認めていることからの解釈論なので、今後の動向に注意しておく必要があると考えられます。

(3)工場の同一フロアに管理部門がある場合

課税製品の製造工場に工場に係る管理業務のみを行っている管理部門がある場合に、管理部門に相当する地代家賃は、課税のみ扱いとして問題ないものと考えられるとされています。

3.業務委託費

(1)親会社であるホールディングカンパニーに支払う経営指導料
通常、経営指導料は売上との明確な対応関係がないため、共通扱いになるとされています。

(2)人材派遣に係る費用

人材派遣費用については、業務内容に応じて区分が変わるとされています。すなわち、課税製品の製造部門や販売部門であれば課税のみ扱い、管理部門・総務部門・人事部門などであれば共通扱いとなります。

ある程度の規模になると、派遣社員がいる会社が多いのではないかと思いますが、今後は派遣社員の所属部署によって消費税の区分を考えなければならないということなので、ワンフロアカンパニーであっても効率的に処理を行うためには、部門別に請求書をもらうなどの対応を検討する必要があると考えられます。

今回はここまでにします。

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