閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

監査法人でも導入され始めた変形労働制とは?

大手監査法人において変形労働制が導入され始めたという話を耳にしました。大手監査法人のHPを確認してみると、あずさ監査法人の定期採用のページに「※1箇月単位の変形労働時間制適用の場合あり」と記載されていました。トーマツと新日本については、募集要項が見当たらなかったのですが、トーマツでも変形労働制が導入されているようです。

さて、本題の変形労働制ですが、労基法上は以下の四つが定められています。
①1カ月単位の変形労働時間制
②1年単位の変形労働時間制
③1週間単位の変形労働時間制
④フレックスタイム制

①~③は変形期間が異なりますが、目的は残業代を抑制しつつ繁忙期に対応することを可能にすることです。④のフレックス制も効率よく労働してもらうことにより残業代を抑制することが可能とも言えますが、どちらかといえばワークライフバランスを図ろうとする制度と説明されることが多いようです。

数年前は人が足りずに年中忙しかった監査法人ですが、今はリストラが必要なほど人が余っています。とはいえ、3月決算の繁忙期は労働時間が長くなるので、変形労働制を導入し所定労働時間を長くして残業代を抑制しようということだと考えられます。
変形労働制が導入されたと聞いた際には、1年単位の変形労働時間制によって4月の所定労働時間を長くして8月の所定労働時間を短くしたのかと思っていましたが、上記の募集要項からするとあずさ監査法人で利用されているのは1カ月単位の変形労働時間制のようです。ということは、4月の本当に忙しい2週間くらいの所定労働時間を延長し、残りの2週間の所定労働時間をその分短くしているということではないかと推測されます。

以下では上記のうち①1カ月単位の変形労働時間制と②の1年単位の変形労働時間制について内容を確認します。

1.1カ月単位の変形労働時間制

1カ月単位の変形労働時間制は、労使協定又は就業規則その他これに準ずるもので一定の事項を定めることによって採用することができ、特定された週において週法定時間(原則40時間)を超えて労働させることができます。また、特定された日において8時間を超えて労働させることができます。

なお、1カ月単位の変形労働時間制が導入されている場合の時間外労働時間は以下のようになります。

①1日については、労使協定又は就業規則その他これに準ずすものにより8時間を超える労働時間を定めた日はその時間、それ以外の被は8時間を超えて労働した時間

②1週間については、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものより40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除く)

③変形期間については、変形時間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①又は②で時間外労働となる時間を除く)

2.1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間性は、労使協定により一定の事項を定めることにより採用することができ、特定された週において週法定時間(原則40時間)を超えて労働させることができます。また、特定された日において8時間を超えて労働させることができます。

なお、1年単位の変形労働時間制が導入されている場合の時間外労働時間は以下のようになります。

①1日については、労使協定により8時間を超える労働時間を定めた日はその時間、それ以外の被は8時間を超えて労働した時間

②1週間については、労使協定により40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除く)

③対象期間の全期間については、対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間(①又は②で時間外労働となる時間を除く)

ただし、1年単位の変形労働制の場合には、労働日数および労働時間について一定の制限が設けられています。

①労働日数の限度

対象期間が3か月を超える場合は1年あたり280日

②1日及び1週間の労働時間の限度

原則 1日10時間、1週間52時間

ただし、対象期間が3か月を超える場合には、以下のいずれの要件も満たさなければならない。

(a)対象期間において、その労働時間が48時間を超える週が連続する場合の週数が3以下であること

(b)対象期間をその初日から3か月ごとに区分した各機関(3カ月未満の期間が生じたときは、当該期間)において、その労働時間が48時間を超える週の初日の数が3以下であること

③連続して労働させる日数の限度

対象期間における連続して労働させる日数の限度は6日とされているが、特定期間における連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数(12日)とされています。

使用者の観点からすると、変形労働時間制を導入して時間外労働を削減できるというメリットがありますが、暇な時期に有給で休みが取れるような会社であれば労働者にとってはあまり意味がないように思います。ただし、1年単位の変形労働制で暇な時期が1カ月休みになるというのであれば、それはいいかもしれません。

日々成長

関連記事

  1. 育児休業期間中に賞与を支給した場合の社会保険料の取扱い

  2. 計画停電と休日振替

  3. 子会社である法人が留意すべき法人税実務

  4. 残業月80時間未満で過労死認定?

  5. 精神障害を事由とする労災申請(その1)

  6. 入社時に有給を付与するとしつつ、試用期間中は取得を認めないという…




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,952,475 アクセス
ページ上部へ戻る