中小企業金融円滑化法利用後の倒産件数がさらに加速しています
2012年9月10日に帝国データバンクが発表したデータによれば、8月の金融円滑化法利用後倒産件数が、過去最高であった7月をさらに上回る結果となったとのことです。
“中小企業金融円滑化法の終焉に向けて銀行側も動きだしているようです“という前月のエントリで作成した表を更新すると、以下のような推移となっています。
帝国データバンクのレポートでは以下のように述べられています。
8月の「金融円滑化法利用後倒産」は45件判明し、前月(41件)を4件上回り過去最多となった。2ヵ月連続で過去最多を更新したことは、同法終了後を見据えた動きが活発になってきた証である。実際に「金融円滑化法が終了すれば借入金の返済負担が増加する。それを見越して民事再生法の適用を申請することに決めた」として倒産した企業も出現した。東京商工会議所が8月27日に公表した「中小企業金融に関するアンケート調査結果」によると、同法による中小企業の経営改善について5割強の金融機関がその効果を認めたうえで、6割強の金融機関が同法終了後に「倒産・延滞による不良債権の増加」などの影響を受けるだろうと回答している。「金融円滑化法利用後倒産」の件数推移を見ると、同法終了を待たずして“影響”は出始めており、言い換えれば、これは金融機関が進めている企業選別の結果と言えるだろう。
7月の件数は、6月の倒産件数が少なかった反動かとも思いましたが、8月の件数からすると実質的に倒産する会社が増加しているということのようです。
これから来年3月の制度終了に向けて、倒産件数がどの程度増加していくのか。今のペースで落ち着いても年度末までに約300件の倒産が発生することになります。
金融機関が企業選別を進めているとはいえ、最終判断は2013年1月~3月に下されるのではないかと予想されますので、年度末に向けて今後の展開には注意が必要です。
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