税務調査の調査官に言ってはならない三つのこととは?
2012年9月号の「税務弘報」(中央経済社)の税務調査特集の中に、元国税調査官が書いた「調査官との心理的交渉術」というものが掲載されていました。
上記の記事の中で「調査官にいってはいけない言葉とは?」として、以下の三つが挙げていました。
1.そんな何年も前の話覚えているわけないでしょう!
2.全部顧問税理士と経理担当者にまかせている!
3.勝手に調べてくれ!
ある程度の規模の法人の場合、上記のようなことを言う機会はあまりないのではないかという気はしますが、上記はいずれも筆者が「調査官時代に調査先の経営者に言われてムッとした言葉」とのことです。
上記のようなことを言われるとどうなるかについては、
1.「じゃあ、この部屋の中に思い出すきかっけになるものがあるかもしれないので一緒に探しましょう!」といって、会社や家などを探されることになる。
2.「この経営者は税務や会計に無関心なんだな。そだとすれば役員や社員の勝手な判断から不正につながっていることがあるかもしれない!」とさらに細かく調査される可能性が生まれる。
3.遠隔地の金融機関であろうが遠く離れた親の固定資産の状況など何カ月かかっても気が済むまで調査されることになる。
だそうです。
上記からわかることは、税務調査官は別に「できた人」ではないということです。上記の筆者は「ムッとした言葉」で「調査官魂に火がつく」としていますが、ある意味、腹いせに意地悪しているようなものとも言えます。税務調査の程度は調査官の気分次第という部分も大きいというのはよく覚えておいたほうがよいようです。
最後に、この筆者は「26年間税務調査という仕事をしてきたおかげで、一瞬でこの経営者が調査に入られやすいかどうかがかわる能力が備わってしまった。」そうです。そんな能力があるなら、税理士やるよりも国税にいたほうが世のためだったのではないだろうか・・・