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更生手続等により取得した優先的施設利用権のみとなったゴルフ会員権の取得費は?

最近でいえば、名門太平洋クラブが破たんしたように、保有しているゴルフ会員権のクラブが破綻するということがあります。しかしながら、財政的に破たんしている場合であっても、従来の会員権保有者にプレー権は残存し、預託金のみ切り捨てられるということがあります。

新たに開業するゴルフ場というものがどれくらいあるのかはわかりませんが、昔ながら(ゴルフ会員権といえば高額なものであった時代)の会員権の場合、入会時に入会金とは別にかなり高額な預託金を支払わなければならなかったようです。”預託金”というくらいですから、一定の時期がきたら会員に返還されることが前提となっていますが、お金がなくてこの預託金が返還されないということが多く発生しています。

そして会社更生手続等によってこの預託金の返還を完全にギブアップして、会員にプレー権(施設利用券)のみが付与されることとなった後に会員権を譲渡した場合、譲渡所得計算の取得費はどのように取り扱われるのかが問題となります。この点について、国税庁の質疑応答事例に「更生手続等により優先的施設利用権のみとなったゴルフ会員権をその後譲渡した場合の譲渡所得に係る取得費の計算」という事例が公表されています。

(事例1)

新規募集時に取得したケース

入会金 500万円

預託金 2000万円

この場合、預託金債権が全額切り捨てられていることから、取得価額から切り捨てられた預託金債権部分を控除して、更生手続により優先的施設利用権のみとなったゴルフ会員権の取得費を算出するものとされています。

つまり、上記の場合に取得費となるのは入会金の500万円部分のみとなります。

(事例2)

中古で購入した場合

ゴルフ会員権の購入価額 250万円

購入時に支払った名義書き換え料 100万円

なお、新規募集時の条件は事例1と同様であったものとされています。

入会金 500万円

預託金 2000万円

近年ゴルフ会員権を取得したケースでは上記のようなケースが普通ではないかと思います。この場合、まず、①取得価額に含まれる優先的施設利用権に相当する部分の価額を会員募集時の預託金と入会金から按分して算出するとされています。計算式で表わすと以下のようになります。

なお、この算出した価額(優先的施設利用権に相当する部分の価額)が入会金の額を超える場合には、ゴルフ会員権の購入価額から預託金の額を控除した額となるとされています。上記の式で、入会金/(預託金+入会金)は1より小さくなることからすれば、かなりプレミアが付いた価格で会員権を取得したケースでなければ入会金を上回るということは少ないと思います。

②次に、により算出された取得価額に含まれる優先的施設利用権に相当する部分の価額と購入時に支払った名義書換料から、更生手続により優先的施設利用権のみとなったゴルフ会員権の取得費を算出するとされています。文章で書くとなんだか難しいですが、

①の50万円+名義書換料100万円=150万円

とうことです。上記のような状況で会員権を取得した場合に購入者も預託金が返還されることなど期待すらしていないのではないかと思いますが、単に取得費は250万円+100万円=350万円とされないという点に注意が必要です。

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