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現物配当の会計処理

今回は現物配当の会計処理についてです。現物配当については、約2年前ですが平成22年税制改正によって適格現物分配(たいした話ではありませんが、税務上は現物配当ではなく現物分配と呼ばれます。)が認められたことによって現物配当が行いやすくなったといわれています。

現物配当を行った会社の会計処理については、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」の第10項において会計処理が定められています。

1.原則

配当財産を時価評価して評価損益を計上し、時価をもって、その他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額する。なお、その他資本剰余金とその他利益剰余金(繰越利益剰余金)のどちらを減額させるかについては、、取締役会等の会社の意思決定機関で定められた結果に従うことになります。

配当される現物の評価損益が計上されるのは、配当物を売却換金して金銭を分配するのと経済的実質は同じと考えられるためです。

例えば、帳簿価額100、時価200の土地を現物配当した場合の仕訳は以下のようになります。なお、繰越利益剰余金を減額するものとします。

2.例外

以下の場合には、配当の効力発生日における配当財産の適正な帳簿価額をもって、その他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額する。

(1) 分割型の会社分割(按分型)

(2) 保有する子会社株式のすべてを株式数に応じて比例的に配当(按分型の配当)する場合

(3) 企業集団内の企業へ配当する場合

(4) 市場価格がないことなどにより公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合

会計処理上は「例外」と書きましたが、冒頭に記載のとおり適格現物分配として現物配当が行われる場合については上記の(3)に該当することになると考えられるので、実際の事例としてはこちらの方が多い処理になのかもしれません。

1.と同様の例で考えた場合の仕訳は以下のようになります。

例外に該当するケースで気になるのは(4)です。つまり、「市場価格がないことなどにより公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合」をどの程度のレベルで考えればよいかですが、適用範囲はかなり限定されると考えておくのが無難だとおもいます。典型的には非上場株式はどうなるのかですが、株価算定等により合理的な評価額が算出可能と考えれるので「公正な評価額を合理的に算定することが困難」とは言えないということになる可能性が高いと思います。

もっとも、企業集団外部の株主に市場価格がないことなどにより公正な評価額を合理的に算定することが困難な現物を配当するというケースは少ないと思いますので実際に頭を悩ますことは少ないのではないかと思います。

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