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非上場株式の株価算定で加重平均資本コストを計算する際の資本構成はどうすべきか?

非上場株式の譲渡等にあたって株価算定を行う必要が生じた場合に、将来キャッシュフローを市場の期待収益率を反映した割引率で割引くDCF法が採用されることが多いと思います。そしてこの割引率には通常加重平均資本コスト(WACC)が用いられます。

WACCは以下の計算式で計算されます。
WACC=有利子負債コスト×(1-実効税率)×(有利子負債の時価)/(有利子負債の時価+株式時価総額)+株主資本コスト×(株式時価総額)/(有利子負債の時価+株式時価総額)

さて、ここがいつも悩みどころです。

有利子負債の時価については帳簿価額=時価と考えてもそれほど大きな影響はないことが多いですし、仮に固定金利の負債を時価評価すべきという場合も金融商品の時価評価と同様に時価を算出してあげればよいと考えられます。

問題は、株式時価総額です。つまり、そもそもこの株式の時価を求めたいがためにWACCを算出しようとしているのにもかかわらずWACCを算出するためには株式時価総額が必要となるという構造になっています。

「非上場株式鑑定ハンドブック―評価・価格決定の理論と実践」(茂腹 敏明著)によれば、最適資本構成と割引率は同時決定されるべきだと述べられています。確かにこれは理論的だとは思うのですが、そのような資本構成を求めることができたとしても、果たしてその資本構成が実現可能なのだろうか?と考えるとそこまでする意義は乏しいように感じます。

この資本構成をどうするかについては、「ケースでわかる株式評価の実務」(小林憲司著)P-132に参考になる記述がありました。

しかしながら、非公開企業の場合には、そもそも株式の時価がわからないという問題がある。そのため、特に非公開企業の場合に、資本構成をどう考えるかという問題は、評価者が頭を悩ますポイントであると思われる。結論としては、βと同様、通常は、事業の内容等が類似する公開会社と評価対象会社の資本構成とを比較考量し、その評価対象企業にとって、最も適切な資本構成をケースバイケースで判断する場合が多いと思われる。

実務的には非常に参考になる意見です。上記にも述べられていますが、CAPMで資本コストを求める際に用いるベータも類似企業のβを用いることが多いことからすると、最適資本構成と割引率を同時決定するという部分で必要以上の厳格さを求める意義はそれほど大きくはないように思いますので、資本構成も類似企業をベースにするというのがやはり現実的な対応だと思います。

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