2012年を振り返って
もう間もなく2012年が終わり2013年が始まりますが、2012年について振り返ってみます。
ちょうど1年前、2012年に世界的には指導者の交代等が多く予定されていたので「波乱含みの1年」と考えていましたが、結果的に今のところそこまでの混乱はみられていない1年となりました。
中国については、最後まですんなりいかないかもしれないというような噂はあったものの、終わってみれば当初の大方の予想どおり習近平が総書記となりました。もちろん日中関係という意味では、尖閣諸島問題に端を発した反日デモが日本企業に与えた影響は小さくありませんが、中国がひっくり返って世界的に大混乱が生じるという事態は起こりませんでした。とはいえ、中国経済も陰りが見え始めているので、国内的な不満のはけ口が日本に向かうことも考えられ、今後も楽観視はできないと思います。
アメリカの大統領選も、これといった成果もないように思われたオバマ大統領が再選を決めました。民主党政権下の日本はオバマ大統領というか、米国に軽く扱われていたように感じるので、自民党政権にもどって日米関係がどのようになっていくのかは注目です。
おとなりの韓国でも今月行われた大統領選で初の女性大統領(朴槿恵氏)が選出されました。報道で伝えられるところでは、李明博氏のようなトップセールス外交をするような感じではないようですが、引継ぎ後どのような姿勢で日本に接してくるのかに注目です。
フランス大統領選でもサルコジ前大統領(国民運動連合)を社会党のオランド氏が下して大統領が変わりましたが、今のところ日本にはそれほど影響はないように思います。また、崩壊間近といわれていたユーロもなんとか持ちこたえ、「ユーロ崩壊」は随分トーンダウンしていますが、イタリアのモンティ首相が今月辞任し、イタリア情勢が混乱するとユーロの安定にも再び危険信号がともるかもしれません。
日本では、先の選挙で民主党が大敗、自民党大勝により自民党が再び政権の座につきました。個人的には安部首相という点がかなりひっかかっていましたが、立ち上がりはよいと感じています。まず、原発については、早速全廃前提の議論を見直すという立場を明確にし、金融緩和を徹底的に行うというメッセージを強く表明しています。先日のテレビ番組でのインタビューでは、ロシアとの関係で北方領土の面積等分案についての意見を聞かれて、少し困った様子はあったものの全島返還を原則としつつロシアに実効支配されている事実を強調し、ロシアとの関係改善に注力する旨を述べていました。なんとなくですが、面積等分や一部返還による和平条約の締結ということもあるのではないかと感じました。
量的緩和については、量的緩和しても銀行は必要な人にお金を貸さないという状況に変化はなさそうなので、効果があるのかよくわかりませんがとりあえず株式市場は期待で上昇しています。この株価の上昇が、消費の増加につながれば景気も良くなるかもしれませんが、単にマネーゲームに終始しているような気がしてなりません。
選挙で圧勝した自民党ですが、比例区の得票数では議席数ほどの差はなく、最初の6ヶ月で何らかの成果をあげないことには、例のごとく支持率が下落の一途をたどることになってしまうと予想されます。2013年6月くらいまでで今後の日本が占えるのではないでしょうか。
なんにせよ、来年もがんばるしかありません。
日々成長