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海外出向者に関わる税務(その1)

税務通信3255号(2013年3月25日)で「海外へ出向する社員に関わる一連の税務」が取り上げられていました。

海外出向者関連の実務を頻繁に担当している方にとっては、目新しいことはないのかもしれませんが、実務でそのような機会がない私には勉強になることが多かったので紹介します。

1.年末調整について

「年末調整」は年末に行うものというイメージがありましたが、年途中で海外子会社等へ出向するような場合には年末調整を行う必要があります。

年末調整については、所得税法190条(本文)で以下のように定められています。

給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第一号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が二千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後その年十二月三十一日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、第一号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第二号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならない。

つまり、海外出向などの場合で、年途中の給与の支払がその年最後の給与等の支払になるのであれば年末調整が必要となるということになります。

このように年の途中で年末調整を行うケースは、所得税基本通達190-1(中途退職者等について年末調整を行う場合)で以下のようなケースが挙げられています。海外への出向者は以下の(2)に該当します。

(1) 給与等の支払を受ける者が死亡により退職した場合

(2)給与等の支払を受ける者が海外支店等に転勤したことにより非居住者となった場合

(3)給与等の支払を受ける者が著しい心身の障害のため退職した場合で、その退職の時期からみてその年中において再就職することが明らかに不可能と認められ、かつ、退職後その年中に給与等の支払を受けることとなっていないとき。

(4)給与等の支払を受ける者が12月に支給期の到来する給与等の支払を受けた後に退職した場合

2.非居住者になるのはいつからか

前述の(2)では「海外支店等に転勤したことにより非居住者となった場合」とされています。したがって「非居住者」になるのはいつからかが問題となります。

この点を大雑把にいえば、出国の日の翌日から非居住者となります。

所得税法上、非居住者は居住者以外の個人と定義されています(所得税法2条5号)。一方で、居住者は「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。」とされています(同条3号)。

したがって、国内に住所を有しない場合には居住者に該当しない(=非居住者になる)わけですが、所得税法施行令第15条(国内に住所を有しない者と推定する場合)では「国外に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。」とし、第1号で「その者が国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること」が掲げられています。

よって、期間1年以上を前提とする海外出向であれば国内に住所を有しないと推定され非居住者となるということになります。いつからという点については、「所得税法基本通達2-4(居住期間の計算の起算点)と同様の考え方により、「出国の日」は居住者期間として取り扱われます。」とのことです。

よって、繰り返しになりますが、ざっくりといえば、出国の翌日から非居住者となるということになります。

今回はここまでにします。

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