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2013年3月期決算の留意点(その3)

また間があきましたが、”2013年3月期決算の留意点(その2)”の続きです。会計・監査ジャーナル2013年3月号の3月期決算の実務ポイントで取り上げられていた項目の残りについてです。

・税効果会計に関する留意点について

・有価証券の減損及び貸付金等の評価について

・年金資産の消失に係る会計処理に関する監査上の取扱いに関する留意点について

最初に書いておきますが、上記について2013年3月期の決算特有の注意点という事項は特に書かれてはいませんでした。

1.税効果会計に関する留意点について

この項目では、繰延税金資産の回収可能性の判定について、復習的な解説が行われていました。

そのため、特段新たな論点はなく、回収可能性の判断において委員会報告66号における会社区分の判定を慎重に行う必要があるという旨が述べられていました。特に会社区分③から④におちると影響が大きいので注意しましょう、という感じです。

あとは強いてあげるとすれば、会社区分④ただし書の会社にあたるかを判定する場合、「非経常的な特別の原因」として委員会報告66号では、「事業のリストラクチャリングや法令の改正など」を例示しているので、「景気の悪化、株価の水準の下落、需要の減退等、会社の事業上経常的に起こり得る原因はこれに該当しない」という点が述べられていました。

上記のような経常的な要因で④ただし書を主張する会社は最近ほとんどないように思いますが、1年おきにリストラしているような会社での「リストラクチャリング」が非経常的といえるのか、というような点は論点になり得るのではないかと思います。

2.有価証券の減損及び貸付金等の評価について

有価証券について、普段あまり取り上げられていない項目としては、種類株式の評価がありました。

ただし、種類株式の期末時の評価については、実務対応報告10号「種類株式の貸借対照表価額に関する実務上の取扱い」によることとなるとされており、詳細についてはあまり述べられていませんが、以下のような事項について触れられていました。

市場価格のない種類株式で債券と同様の性格を持つと考えられるもの以外の種類株式の実質価額の算定については、割引将来CF法やオプション価格モデルなどの評価モデルによることが原則であるとされている。普通株式の市場価格と連動性があると想定される種類株式については、評価モデルを利用した価額を得ることが困難であっても、普通株式の市場価額が当該種類株式の取得時点に比べて著しく下落した場合には、当該種類株式の実質価額も低下していると想定され、減損処理を行うことが合理的と考えられる場合が多いことに留意する必要がある。種類株式が市場価格に連動した性格のものであれば、当然ではありますが、種類株式の内容をよく理解していないと痛い目にあう可能性はあります。

もう一点。これも今回の決算特有の話ではありませんが、四半期決算で減損処理を行った有価証券のうち時価を把握することが極めて困難と認められる株式について、年度決算等において財政状態の改善等が明らかになっている場合を除き、四半期決算等において行った減損処理を年度決算で戻入処理することには慎重でなければならないと、金融商品会計に関するQ&A31で述べられているという点は、知識の確認として紹介しておきます。

貸付金等の評価については、貸倒引当金の計上方法が中心に述べられていますが、特段紹介したほうがよいと思われる項目がないので割愛します。

3.「年金資産の消失に係る会計処理に関する監査上の取扱い」に関する留意点について

「年金資産の消失に係る会計処理に関する監査上の取扱い」については、平成24年3月期の決算直前に生じた事象に対して緊急的に出されたものであるので、平成25年3月期決算において、この通達が適用されるケースは限定されると考えられるとされています。

影響がありうるケースの例としては、「総合型厚生年金基金に加入し、「退職給付に係る会計基準注解」(注12)で定められる複数事業主制度の処理を採用している企業であって、平成24年3月期に、企業年金基金における詳細な年金資産の状況が入手できず、将来追加拠出に伴う損失について、企業会計原則注18の要件を満たさず、引当金を計上しなかった企業が、平成25年3月期において、企業年金基金における詳細な年金資産の状況を入手したことにより、引当金の計上ん要否を検討するということは考えられる」とされています。

ただし、平成24年3月末時点の厚生年金基金の決算報告は既に入手されているはずなので、重要な影響があるのであれば四半期で処理済みではないかと思います。

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