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ハズレ馬券が経費として認められました-大阪地裁判決

今年の2月に”馬券の払戻金を適正に申告しろというのは酷だと思うのは私だけ?”というエントリで書いたハズレ馬券の経費性を巡る裁判において、2013年5月23日に大阪裁判所はハズレ馬券を経費と認めるという判断を下しました。

ハズレ馬券が経費と認められたのは初となります。毎日新聞が伝えるところによると、

判決はまず、「馬券の払戻金は偶発的、偶然に入り、継続性は認められず、一時所得に当たる」とした。しかし、「元会社員は無差別に一定の条件で網羅的に購入し、多額の利益を得ていた。元会社員は娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていた」と指摘、外国為替証拠金取引(FX)などと同じ雑所得に分類した。」

とのことです。FXと競馬を同じようなものと取り扱うことに異論がある方もいるかもしれませんが、個人的な意見としてはどちらもギャンブル性は高いと思いますので裁判所の見解に賛成です。

詳しい経緯については、主任弁護人の中村和洋弁護士が「競馬の勝馬投票券に対する配当に高額な課税がなされている件についての担当弁護士からのご説明」として同氏法律事務所のHPに掲載されています。
それによると、平成17年から21年の5年間で、購入金額が合計約35億500万円、配当金額が合計約36億6000万円で、1億5500万円の黒字であったとされています。

今回は、上記のような収支等を前提として「元会社員は無差別に一定の条件で網羅的に購入し、多額の利益を得ていた。元会社員は娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていた」と判断されたわけですが、気になるのはどのレベルから一時所得ではなく雑所得ととらえてもらえるのかです。

例えば、年間で500レースについて総額500万円の馬券を購入し、払戻金が600万円、収支が100万円黒字だった場合どうなるのでしょうか。今回問題となった金額とは比べ物にならないくらいの金額ですが、勝ったり負けたりという部分があるにせよ、一般的な感覚からすれば馬券を年間で500レース、500万円も買うのは相当なものという感じがします。
しかしながら、「無差別に一定の条件で網羅的に購入」が要件となるのであれば、おそらく年間の購入金額が500万円というレベルでは収まらないはずです。現に、今回争われたケースでは、平成16年ころの当初の元手が100万円だったそうですが、平成17年の購入総額は9900万円になっています。

仮にこのレベルでは雑所得にならないということになれば、黒字となった100万円ではなく、400万円~500万円位が所得に該当することになると考えられます。この場合であれば、一時所得とされても黒字を税負担が上回るということはないと思うものの、適切に申告した場合の手取りは大きく異なってしまいます。

FXについては、取引の頻度に関わらず雑所得として取り扱われることからすれば、馬券についても年間収支がきちんと把握できるインターネット経由の購入に限り雑所得として取り扱うようにしてもよいのではないかと思います。
JRA等が証券会社のような年間取引報告書のようなものを交付して、雑所得として確定申告に利用できるとすれば、多額の利益をあげている人ほど正しく申告する人が増え、結果的に税収も増えるのではないかと思います。
また、源泉分離課税も検討の余地があると思います。

最後に、中村和洋弁護士のHPに掲載されているQ&Aで「12 今回のことは、どうして課税当局に発覚したのですか?」という項目があります。
答えは、「それはわかりません。」です。

他人の妬みや嫌がらせによるリークであればよいですが、そうでないとすると、なんだか嫌な感じがしますね。

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