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消費税引き上げに伴う経過措置-工事の請負等(最終回)

少し間が空きましたが、消費税引き上げに伴う経過措置-工事の請負等(その3)の続きで、「消費税引き上げに伴う経過措置-工事の請負等」についての最終回です。

(法人税法上ではなく)会計上の工事進行基準と経過措置の関係

会計監査を受けているような会社では、工事の進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用して収益を認識しなければなりませんが、会計上、工事進行基準を適用している場合に消費税の経過措置との関係はどうなるのか?

結論としては、会計上の工事進行基準を適用している場合であっても、消費税の経過措置の対象となります。すなわち、契約締結の時期と収益が計上される時期との関係から適用される消費税率は以下のようになります。

契約締結時期

適用される消費税率

平成25年9月30日までに契約締結 計上される収益すべてに5%が適用
平成25年10月1日から平成26年3月31日までの間で契約締結 平成26年3月31日までに計上される収益・・・5%平成26年4月1日以後計上される収益・・・8%
平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間で契約締結 計上される収益すべてに8%が適用
平成27年4月1日から平成27年9月30日までの間で契約締結 平成27年9月30日までに計上される収益・・・8%平成27年10月1日以後計上される収益・・・10%
平成27年10月1日以後に契約締結 計上される収益すべてに10%が適用

上記のような取扱いになるのは、①法人税法上、法人税法上工事進行基準の適用が強制される長期大規模工事以外の工事については、工事進行基準により収益が認識された場合にはこれにより所得金額を計算することが認められていること(法人税法64条1項、2項)、および②消費税法上、工事進行基準が採用された場合に、その収益が益金に算入された事業年度に資産の譲渡等を行ったものとすることができるとされているためです。

簡単にいえば、工事進行基準で収益認識された時の消費税率が適用されるのが原則ということです。この原則が、経過措置により上記の表のように修正されています。

通知義務

請負人は、経過措置の適用がある場合には、注文主にその旨を書面により通知する必要があります。ただし、この書面による通知は、請求書や領収書等に記載することで足りるとされています(経過措置通達22)。

請負人は、この通知義務を怠ると、損害賠償を請求される可能性もあるので注意が必要です。なぜなら、この通知義務は法律上の義務なので、仮に注文者が経過措置の対象となることを知らずに8%(あるいは10%)で仕入税額控除を行っていた場合に税務調査で否認されるようなことがあれば、請負人に落ち度があるため当然責任を問われる可能性があります。

したがって、請負人としてはこの通知義務を漏らさず履行するように注意が必要です。

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