「経営危機には給料を増やす!」(村田 明博 著)を読んで
今回は「経営危機には給料を増やす!」(村田 明博 著)という書籍についての感想です。
この本の副題は「世界一企業をつくった「天邪鬼経営」」となっています。
「わざと人に逆らう言動をする人。つむじまがり。ひねくれ者」である天邪鬼な経営とはどんなものかというと、
というようなものです。
後ろの三つは、逆説的というよりは正攻法といえそうですが、例えば、同質競争を避ける戦い方としては、電源メーカーのコーセルの例が取り上げられていました。
電源メーカの平均的な利益率は5%程度であるのに対して、同社の営業利益率は25%程度もあるそうです。そして、同社がこの利益率を実現している要因を一言でまとめるならば、それは「標準品のカタログ販売」というビジネスモデルにあるとされています。
標準品ゆえ利用者からすれば、使い勝手が悪い部分があるはず。しかしながら、劇的な差別化が困難であるならば、標準化した製品に徹底し納品までのスピードに注力するほうが重要だと同社は判断した結果、標準品に特化し高い利益率を獲得しているそうです。
個人的には「稼働率を低くする」というものに共感しました。天邪鬼経営では経営者は標準稼働率を低く設定するというものです。
稼動率を低く設定することで、例えば稼働率80%でも利益が出せるような体質の強い企業になるうえ、急ぎの発注にも余裕で応えられるようになるため顧客の信頼も厚くなるとされています。さらに、グーグルの20%ルールのように、余裕があることで将来の新しい仕事を考える余裕も生まれるとされています。
仕事をして食べていくためには稼働率をあげることを考えてしまいますが、専門性が高い職業の人ほど目標とする稼働率は80%位にして、より専門性を高める知識の習得などに割ける時間を確保する必要があると感じました。
日々成長