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貯蔵品と最終仕入原価法

今回は貯蔵品と貯蔵品の評価方法についてです。

現実問題として、貯蔵品の評価方法が開示されている場合、最終仕入原価法が採用されていることが最も多いのではないかと思います。

ここで、棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)では、棚卸資産の評価方法として個別法、先入先出法、平均原価法、売価還元法しか認められていないのに、なぜ最終仕入原価法を適用してよいのかを律儀に考える方がいました。

結論からすれば、一般的に貯蔵品は重要性が乏しいので最終仕入原価法で評価していてもほとんど弊害はないためです。

最終仕入原価法については、棚卸資産の評価に関する会計基準の導入時に評価方法から除外されたようなイメージがありますが、実際のところは、棚卸資産の評価方法について述べられている企業会計原則の注解21において最終仕入原価法はもともと棚卸資産の評価方法として述べられていません。

この点について、棚卸資産の評価に関する会計基準の34-4項(結論の背景)では以下のように述べられています(一部抜粋)。

最終仕入原価法によれば、期末棚卸資産の一部だけが実際取得原価で評価されるものの、その他の部分は時価に近い価額で評価されることとなる場合が多いと考えられ、無条件に取得原価基準に属する方法として適用を認めることは適当ではない。このため、期末棚卸資産の大部分が最終の仕入価格で取得されているときのように期間損益の計算上弊害がないと考えられる場合や、期末棚卸資産に重要性が乏しい場合においてのみ容認される方法と考えられる。

上記では、「期末棚卸資産の大部分が最終の仕入価格で取得されているときのように期間損益の計算上弊害がないと考えられる場合」も最終仕入原価法を採用できるケースとして例示されていますが、期末貯蔵品の取得状況の変化を勘案して毎期貯蔵品の評価方法を検討することは現実問題としては考えにくいので、最終仕入原価法を適用している会社のほとんどは、重要性が乏しいからという理由で貯蔵品に対して最終仕入原価法を適用しているものと考えられます。

事例としては、少ないですが貯蔵品の評価方法に先入先出法や総平均法を採用している事例もあります。

たとえば㈱ハニーズでは単体の棚卸資産の評価方法及び評価基準が以下のように記載されています。

2 たな卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 商品
売価還元法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
(2) 貯蔵品
生地等…先入先出法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
その他…最終仕入原価法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)

貯蔵品の金額を確認すると3億円程度(平成25年5月期)で、単体総資産の約0.9%となっています。貯蔵品の内容は生地等が大部分であり、婦人衣料及び服飾雑貨の会社であるため実質的には原材料にあたるものと考えられますが、同社はSPAであり製造は行っていないという理屈から原材料ではなく貯蔵品としているのではないかと推測されます。

一般的には、あまり厳密に管理するメリットがないものを貯蔵品としていることが多いと思いますので、上記のような事情がなければやはり最終仕入原価法を採用するのが実務的ではないかと考えられます。

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