高齢化により所得の少ない世帯が増加したというけれど・・・
2013年10月12日に厚生労働省が発表した2011年の「所得再分配調査」の結果によると、、所得格差を示す「ジニ係数」(0~1の間で、1に近いほど格差が大きくなる)が0.5536(3年前の前回調査比0.0218ポイント上昇)となり、過去最大を更新しました。
この原因について厚労省の分析では「年金で生計を立てている高齢者世帯の増加が背景にある」とされています。平均所得でみると、年間の平均当初所得は404万7000円で、高齢者が家計を支える世帯に限ると92万7000円となっていることからこのような分析となっているようです。
ところで、2013年10月13日のBloomberg Businessweekには”Opulent Trains Show Japan is Eager to Spend”という記事が掲載されていました。この記事でいうOpulent Trains(豪華な列車)とは、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」です。
ラウンジではピヤノの生演奏が流れ、ミシュラン二つ星のシェフの料理が味わえ、豪勢な列車での3泊の旅は約39万円もするが、6月までにはチケットが完売したという内容が取り上げられています。現在第3期(平成26年4月~6月)まで販売されていますが、第3期分も既に完売しています。
日本の個人投資家が保有する株式の約90%は50代以上の人々が握っており、アベノミクスによって上昇した株価がこれらの年代の消費を増加させていると述べられています。また贅沢品市場が消費をしたがっている年配層や高所得の若年層を捕まえていることと、円安によって香港や台湾からの旅行者が増加し、これらの要因によって贅沢品市場が約8%増加し270億ドルに達しているとされています。
このような贅沢品市場の拡大に対応して、マリオットはリッツカールトンを2014年2月に京都にオープンすることになっており、JALは国内線にファーストクラスを設定すると紹介されています。さらに、「ななつ星」の盛況ぶりから、JR東日本も元フェーラーリのデザイナーを雇い、2016年に同等の列車を投入する予定と紹介さています。
海外のメディアからすると、このような豪華な消費が増加している部分がやはり目につくようですが、実際のところは高齢者層も二極化してきているということのようです。いずれにしても、消費できる人には消費してもらうようにして景気がよくなればよいですね。
日々成長