消費税の経過措置が一部改正されました-「雑誌」の取扱い
平成25年10月30日に「消費税法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令」が公布され、平成26年4月1日から施行される消費税の経過措置が一部改正されました。
今回改正されたのは、特定新聞等に関する経過措置で、経過措置の対象とされていたものの中から「雑誌」が除外されることになりました。
改正前の附則第5条2項では以下のように規定されていました。
2 事業者が、特定新聞等(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には、当該特定新聞等の譲渡に係る消費税については、旧法第二十九条に規定する税率による。
平成25年10月30日の官報によると、”附則第五条第二項中「特定新聞等」を「特定新聞」に改め「又は新聞」を削る。”とされていますので、改正後の附則5条2項は以下のようになります。
2 事業者が、特定新聞(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には、当該特定新聞等の譲渡に係る消費税については、旧法第二十九条に規定する税率による。
つまり、経過措置の対象から「雑誌」が除外されたということです。消費税の経過措置は、選択適用が認められるという性質のものではなく、条件に該当すれば選択の余地なく経過措置が適用されることになっています。
したがって、改正前の規定によれば、発売日が平成26年3月31日以前の雑誌であれば、平成26年4月1日以後に販売された場合に現行税率5%が適用されることになっていました。
そして、今回の改正は、「多くの書店等で使用されているレジシステムでは雑誌の発行日をもとに税率を区分して計算することができない。そのため、実務での混乱が予想されるとして書籍・出版業界からの要望を受けて改正が行われた」(税務通信3285号)とのことです。
税務通信の記事によれば「平成16年に書籍・出版業界で一斉に雑誌のバーコードシステムの改修が行われ、現在、ほぼ全ての書店において「税抜価格」のバーコードで読み取りレジで消費税を乗じて計算する仕組みとなっているため、平成26年4月1日以後に販売する雑誌について旧税率5%の対象となるかどうか個々に判断しなければならず店頭での混乱が予想される」として、書籍・出版業界からの要請で今回の改正に至ったととのことです。
平成9年の税率引き上げ時も同様の経過措置が設けられていたにもかかわらず、税率が変更になった場合に対応が困難となる上記のようなシステムを導入しているので、経過措置がそのままであったとしても自業自得と言われてしまいそうな気はします。
また、税抜価格に消費税を乗じるシステムになっているとしても、バーコード情報を税込で設定して消費税率を0にすれば販売のオペレーション上はなんとかなるのでは?という気もします。
とはいえ、もう決まったことなので、雑誌については平成26年4月1日以降販売されれば8%が適用されるということになりました。
このタイミングでも経過措置が改正されることがあるということで、前受している保守の取扱いもなんらかの手当がされるかも?という期待をわずかに抱きました。
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