金融円滑化法利用後倒産が2カ月連続で過去最高を記録-帝国データバンク調べ
帝国データバンクが2013年11月11日公表した全国企業倒産集計2013年10月月報によると10月の全体の倒産件数は3ヵ月連続で前年同月よりも減少している一方で、金融円滑化法利用後倒産は69件と2カ月連続でと過去最高を記録しました。
過去からの件数の推移を示すと以下のようになっています。
この点について、帝国データバンクでは「中小企業金融円滑化法の期限到来後、懸念されていた金融機関による目立った企業選別は起こっていない。結果として、企業の淘汰は進まず、10月の企業倒産件数が3ヵ月連続で前年同月比減少を記録している。」と分析しています。
金融円滑化法利用後倒産件数は、上記のとおり多少の凸凹はあるものの、基本的には右肩上がりの傾向を示しています。多少景気が上向いているというような話も耳にしますが、その程度ではこの傾向にストップをかけることはできないようです。
リーマンショック後に固定費の圧縮を図り、円高への対応力をつけた会社にとっては、少し景気が上向き円安になっただけで大きく利益をあげることができるようになっており、会計的な処理でも積極的に損を計上したいというような会社も増えているようです。ただし、全体から見ればそのような会社は一握りにすぎず、今なお苦しい中小企業も多いというのが現実のようです。
景気が上向けば救われる企業も多いとは思いますが、景気が良くても倒産する会社が存在するのも事実です。「金融機関による目立った企業選別は起こっていない」ため実態がつかめませんが、消費税増税後の来年4月以降にどうなっていくのかが一つのポイントになりそうです。
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