平成26年3月期からの単体開示簡素化に向けて財規の改正案が公表されました
半年以上前に”単体開示の簡素化-早ければ平成26年3月期より”というエントリで記載しましたが、2014年1月14日に金融庁から平成26年3月期から単体開示を簡素化するための財規の改正案が公表されました。
今回の改正が成立すると連結財務諸表を作成している会社の単体開示が簡素化されることになります。
改正の主な内容は以下のとおりです。
- 貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書について、会社法の要求水準に合わせる様式が定められる
- 注記、付属明細表、主な資産及び負債の内容について、連結財務諸表において十分な情報が開示されている項目については注記を免除したり、一部の項目については会社計算規則の規定をもって作成できるようになる
この他、セグメント情報を開示している場合には製造原価の明細が免除されます。
上記のように単体開示が簡素化されるのは実務的に歓迎ですが、上記の改正で一つ疑問点があります。それは、製造原価の明細の免除です。
改正が予定されてる財規第75条2項では以下のように規定されています。
前項第二号の当期製品製造原価については、その内訳を記載した明細書を損益計算書に添付しなければならない(ただし、連結財務諸表において、連結財務諸表規則第十五条の二第一項に規定するセグメント情報を注記している場合を除く。)。
あくまで「連結財務諸表において」セグメント情報が記載されている場合には製造原価明細書の作成が免除されるとされているので、単体開示のみの会社がセグメント情報を開示していても製造原価明細書の開示は必要という事になります。
単体財務諸表であってもセグメント情報の開示が求められる以上、単体財務諸表のみの開示会社であっても、セグメント情報を開示している場合は製造原価の明細の開示は不要としたほうがよいのではないでしょうか。
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