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ベースアップと改正退職給付会計基準における退職給付債務の計算の関係

トヨタ自動車が6年ぶりにベースアップを実施するというように今年の春闘ではベースアップを実施する企業が多くみられるようになっています。

このベースアップが退職給付会計に与える影響が今回のテーマです。

あまり意識していませんでしたが、改正退職給付会計基準では、改正前と比較してベースアップの取扱いについても変更されています。

改正前の退職給付会計基準注解3では、「退職給付見込額の見積において合理的に見込まれる退職給付の変動要因には確実に見込まれる昇給等が含まれるものとする。」と定められていました。

昇給「等」ですので、従来からベースアップについても考慮する余地はあったものの、「確実に見込まれる」もののみが対象となっていたため、昨年までの状況からすると実際にベースアップを勘案しているケースは少なかったものと考えられます。

一方、改正退職給付会計基準注解5では「退職給付見込額の見積りにおいて合理的に見込まれる退職給付の変動要因には、予想される昇給等が含まれる。(以下省略)」とされており、「確実に見込まれる」ものでなくとも「予想される」ものであれば織り込む必要があるということになりました。

この改正は、国際的な会計基準との整合性および割引率にインフレ率が反映されているような場合との整合性を保つことを目的としたものとなっています(改正退職給付会計基準57項)。

したがって、今後ベースアップが予想されるのであれば、今期末の退職給付債務の計算にも織り込む必要があると考えられますが、ベアも2000円とか3000円というレベルなので、今後も継続的にベースアップが予想されるというのでなければ、従来見込んでいた昇給率の誤差の範囲として処理できるのではないかと思います。

一方で、ベア1万円を公表した餃子の王将を展開している王将フードサービスの場合は、重要な影響があるのではないかと推測されます。同社の有報によると、年間平均給与が約470万円ですので、賞与分が4か月と想定すると一月の給料は約30万円程度と計算されます。
これに対する1万円ですので、計算される退職給付債務の金額にかなり影響するのではないかと思います。

データ基準日から貸借対照表日までに重要なデータの変更があったときは、退職給付債務等を再度計算することが求められていますので、今回のベアがもともと織り込まれていたかどうかによって、場合によっては今から基礎データを変更して計算を依頼するということも必要になるのかもしれません。

果たしてどの程度の影響があるのものなのか、平成26年3月期の王将の有報が気になります。

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