租税回避防止規定を巡る訴訟はヤフーが敗訴も・・・
昨年の12月に”組織再編の包括的な租税回避防止規定を巡る初の訴訟が来年2月に判決”というエントリでヤフーの訴訟について取り上げましたが、当初2月25日に予定されていた裁判の判決が昨日(3月18日)に出ました。
どうなったのか気になって調べてみると、朝日新聞デジタルに「186億円の追徴課税巡りヤフー敗訴 処分取り消し訴訟」という記事が掲載されており、結論としては186億円の追徴課税の処分の取り消しを求めたヤフーの請求は棄却されました。
ところが、同記事によると「地裁が判決文の閲覧を制限しており、理由は明らかになっていない」とのことです。
この事案は二つの内容が争われていますが、その一つがヤフーが繰越欠損金をかかえる子会社の吸収合併前に、3か月間ヤフーの社長が当該子会社の副社長に就任し経営参画要件を満たしていたものが租税回避を目的とした形式的なものであるとして法人税法132条の2を適用し追徴を課したことに対して、これが経営参画要件を満たしているのかどうかという点です。
そもそも法人税法上は、経営参画要件を満たすか否かについて、特定役員就任から合併の期間までの期間について特段の定めはありません。そのため、ヤフー側は問題ないと判断し、国税側は法人税法132条の2(租税回避防止規定)を持ち出したわけです。
この3ヶ月という期間に対してどのような判断が下されるのか、6カ月ならOKなのか、あるいは1年ならOKなのか、はたまたそれ以上の期間が求められるのか何らかの指針が示されるだろうとが実務家の間で注目されていたわけですが、「判決文の閲覧が制限」というなんとも消化不良の状態に陥ることになりました。
しばらくすれば、専門誌等でも取り上げられると思いますので、詳細がわかればまた取り上げたいと思います。
日々成長