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組織再編実務の常識が崩壊-ヤフー判決

T&A masterのNo.547号に「ヤフー判決で組織再編実務の上申が崩壊」という記事が掲載されていました。

この記事では、法人税法132条の2(行為計算否認規定)の適用を巡り争われたヤフー・IDCF事件でヤフー側が敗訴したことを受けて、「事業上の目的・理由」があれば行為計算規定の適用を受けることはないという組織再編実務の常識が崩壊したと述べられています。

従来、上記のような理解のもと、「実務上、当該目的・理由の明確化に一定の事務量が割かれて」いましたが、今回の裁判において裁判所は、『「組織再編成を構成する個々の行為について個別にみると事業目的がないとはいえないような場合」であっても、「当該行為又は事実に個別規定を形式的に適用したときにもたらされる税負担減少効果が、組織再編全体としてみた場合に組織再編税制の趣旨・目的に明らかに反し、又は個々の行為を規律する個別規定の趣旨・目的に明らかに反するとき」には、132条の2の適用対象になる』と判示しました。

ヤフー側は、組織再編の理由・目的を『「クラウドコンピューティングやオープンプラットフォームの本格的な展開を見据えたデータセンター事業の戦略的基盤の構築」「データセンターを自社保有することによる大幅なコスト削減・調達の効率化・サービス投入のスピードアップ・計画的な事業遂行の実現」』などと説明し、実際にそのような目的はあったものと思われるものの、上記のとおり裁判所は行為計算否認規定が適用されるとの判断を下しました。

裁判所がこのような判断を下した背景には、132条の2における「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」を以下のようにとらえているということがあります。

「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、(i)法132条と同様に、取引が経済取引として不合理・不自然である場合(中略)のほか、(ii)組織再編成に係る行為の一部が、組織再編成に係る個別規定の要件を形式的には充足し、当該行為を含む一連の組織再編成に係る税負担を減少させる効果を有するものの、当該効果を容認することが組織再編税制の趣旨・目的又は当該個別規定の趣旨・目的に反することが明らかであるものも含むと解することが相当である。このように解するときは、組織再編成を構成する個々の行為について個別にみると事業目的がないとはいえないような場合であっても、当該行為又は事実に個別規定を形式的に適用したときにもたらされる税負担減少効果が、組織再編全体としてみた場合に組織再編税制の趣旨・目的に明らかに反し、又は個々の行為を規律する個別規定の趣旨・目的に明らかに反するときは、上記(ii)に該当するものというべきこととなる(T&A master N0.545)。

以上から、今後は事業上の理由・目的に加えて、税負担減少効果が、組織再編全体としてみた場合に組織再編税制の趣旨目的に明らかに反していないかという視点も重要になるとされています。

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