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どのような退職給付制度が採用されていることが多いのか?

退職給付会計基準を確認していて、ちょと気になったのでどのような退職金制度が採用されているのが多いのかについて調べてみました。

調べてみると経団連労働政策本部から2012年9月時点に調査した「退職金・年金に関する実態調査」というものが公表されていました(労政時報No.3943号掲載)。これは、1973年から隔年で実施されている調査で、2012年の調査は経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1912社を対象として行われ、実際の回答数は239社となっています。

採用している退職金制度の割合

2002年~2012年の採用している退職金制度の割合は以下のように推移しています。
2014-05-28_1
上記から制度としては退職一時金制度と退職年金制度を併用している会社が全体の7割強と圧倒的な割合を占めています。「退職一時金制度のみ」と「退職年金制度のみ」については、調査年度によってどちらの方が多いかについては入れ替わるものの概ね1割前後で推移しています。

年金制度の種類は?

退職年金制度を有している会社においては、確定拠出年金(企業型)を採用している会社が51.8%(複数回答あり。以下同じ)で最も多く、確定給付型企業年金(規約型)が48.2%で続いています。

2010年の調査では確定拠出年金(規約型)が42.3%、確定給付企業年金(規約型)が46.0%であったので、2010年との比較では確定拠出年金(規約型)の採用割合が9.5ポイント増加と大きく増加しているという傾向が伺えます。

また確定給付企業年金および厚生年金基金(2012年の採用割合は8.6%)を採用している会社のうちキャッシュバランスプラン(類似制度を含む)を採用している会社は42.1%で、2010年の41.6%から微増という結果となっています。

賃上げ額と退職金基礎額との関係は?

賃金改定と退職金算定の基礎となる金額の関係についての調査では、「賃上げ額とは関係なく別建てとなっている」という回答が75.9%と高い割合を示しており、2008年71.5%、2010年72.3%と増加傾向を示しています。

では、どのような方式によって退職金の基礎額が決定されるかですが、ポイント方式という回答が「賃上げ額とは関係なく別建てとなっている」と回答した会社の85.6%を占めています。そして、別テーブル方式が11.4%、その他が3%となっています。

「賃上げ額とは関係なく別建てとなっている」会社の中では、ポイント方式を採用している会社の割合が2008年79.8%、2010年81.9%、2012年85.6%と増加してきており、ポイント方式が主流といえそうです。

退職金増加のピークはいつ?

標準者退職金(標準的に進学、学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象とした退職金)でみると、勤続年数3年の退職金を1とした場合の支給倍率(会社都合)の推移は、勤続年数の増加によって増加していく傾向にあるものの、増加割合は10年前、20年前と比較すると緩やかになっています。

例えば、勤続35年(大学卒)でみると、1992年の調査では54.6倍、2002年の調査では48.1倍であったのに対して、2012年の調査では33.6倍となっています。

さらに60歳定年退職金額(大学卒)でみると、1992年2,637万円、2002年2,511万円、2012年2,491万円と残念ながら徐々に減少傾向にあります。

そして、勤続年数1年・年齢1歳当たりの増加額の試算結果では、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の大学卒では勤続年数30年・52歳~33年・55歳がピークとなるとのことです。

まとめると、退職一時金と年金制度を併用し、ポイント方式を採用しているというのが最近の主流ということになりそうです。

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