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国際税務入門(その3)-源泉徴収

使用地主義と債務者主義

日本の法人が外国法人等に機械装置の使用料を支払う場合、前記の源泉徴収の対象となる国内源泉所得の種類の表⑧ハにあるとおり、源泉徴収が必要となります。

そして、日本の税法では、対象となる資産の使用地から使用料の源泉所得地を判断する使用地主義が採用されています。したがって、原則としては対象資産が国外にあるのであれば、源泉徴収は不要となります。

しかしながら、日本-中国租税協定のように、使用料の所得源泉地について債務者主義が採用されていることがあるので注意が必要です。

債務者主義の場合、使用料の支払者の居住地国が所得源泉地とされることになります。したがって、日本法人が中国法人に中国に存在する装置の使用料を支払う場合、日本法人が所在する日本が所得源泉地国となり、源泉徴収が必要となります。

税務調査では、特に債務地主義を採用している国に治する支払いが重点的に調べられる傾向にあります。とのことですので、要注意です。

税務調査で源泉徴収漏れがあった場合

源泉徴収の場合、源泉徴収義務者、税の負担者(源泉徴収される側)、国という三者が登場し、国と税の負担者は直接やり取りすることはありません。
つまり、税務調査は源泉徴収義務者に対して行われ、源泉徴収漏れがあっても国は税金負担者に直接課税を行うことはできません。逆に、税金負担者が後から源泉徴収されすぎであることに気づいても、国に対して直接還付を請求することもできません。

裏を返すと、源泉徴収義務者が税務調査で源泉徴収漏れを指摘された場合には、本来税金を負担すべき者から税金分を回収できるか否かにかかわらず追加で納税する必要が生じます。その場合、当然のことながら本税に加えて加算税も課されることになります。

税務調査で源泉徴収漏れが発覚した場合、本来の税負担者から回収できれば本税部分は回収することができますが、回収不能の場合、外国法人等に支払った金額を源泉徴収後の金額としてグロスアップ計算により、源泉税の金額を計算し納付することになります。

例えば本来は20%源泉徴収すべきであったところ、源泉徴収せずに1万円を支払ってしまったようなケースにおいては、1万円を税引き後の金額と考えると、1万円÷80%=12,500円が税引き前の金額ということになります。

したがって、加算税等を無視すると、追加で2,500円の費用が生じる計算となります。

仮に取引先から回収不能であっても、本来源泉徴収べきであった2,000円を納税するという選択肢はないのかという気がしますが、2,000円が回収不能となってそれを源泉義務者が負担する場合、その2,000円も源泉徴収の対象となってしまいます。
つまり、2,000円×20%=400円が源泉漏れとなり、その400円を源泉義務者が負担すると、さらに400円×20%=80円が源泉漏れとなるというように計算が続いていきます。

上記の計算ですでに2,000円+400円+80円=2,480円となっていますが、結局のところ最初のグロスアップ計算のとおり2,500円が納付すべき金額ということになるようです。

本来2,000円のところ2,500円負担しなければならないだけでなく、さらに加算税等が加わることを考えると、源泉徴収には相当の注意を払う必要があります。

今回はここまでとします。

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