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マンション屋上の携帯電話アンテナ設置料収入の取り扱い

国税庁の質疑応答事例に「マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定」という質疑応答が新たに加えられました。

マンションの管理組合が屋上部分を通信事業者に貸し付けて、アンテナ設置料収入を得ているケースは比較的よくあることのようですが、この収入について法人税の申告漏れとなっている事例があることから、上記の質疑応答事例が加えられたとのことです。

実際この質疑応答事例にはたいしたことが書かれていないので、敢えて公表する必要があるのかという気がしましたが、税務通信3321号に以下のような裁決事例が掲載されていました。

この事例では、団地の管理組合(マンション管理組合)である請求人が、携帯電話会社に対し無線基地局設置のために団地共用部分の一部を賃貸して得た収入が、各区分所有者に帰属し、人格のない社団等の行う収益事業(不動産貸付業)に該当しないものとして,法人税の申告を行わなかったところ、当該収入を人格のない社団等の行う収益事業によるものとして税務当局が法人税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分を行ったというものです。

そして、納税者は、「ボランティア団体として本件団地の維持管理を行っているに過ぎず、原処分庁の周知や指導がないため,人格のない社団等に該当するか否かの認識がなかった」と主張しました。その上で、「本件各賃貸契約は、各区分所有者の代理人としての契約であり、本件団地建物所有者の合意の下、本件賃貸収入を請求人が管理し,修繕積立金とした。したがって、本件賃貸収入は各区分所有者に帰属し,請求人の資産・資金とは判断しない。」という主張をしたとのことです。

原処分庁の周知や指導がないため,人格のない社団等に該当するか否かの認識がなかったというような主張をされてしまうと、さすがに国税庁も放っておけないということで、冒頭の質疑応答事例が追加されたのではないかと思います。そうであれば、このような内容の質疑応答事例が公表されたというのも理解できます。

なお、上記納税者の主張に対して、審判所は、建物所有者全員で構成される規約を持つ管理組合は、人格のない社団等に該当するとし、その上で共用部分から生じた利益は、一度団体に合有的に帰属し、団体の決議をもって各区分所有者に分配される(東京地裁平成3年5月29日判決(昭61・(ワ)・6461号))ため、法人税の納税主体である管理組合の収入となった時点で管理組合の収益として判断されるとしています。

上記のような背景をふまえて、以下の質疑応答事例の照会要旨を読むとちょっと見方がかわるかもしれません。

【照会要旨】

 Aマンション管理組合は、移動体通信業者Xとの間で、携帯電話基地局(アンテナ)設置のためにマンション屋上(共用部分)の使用を目的として、建物賃貸借契約を締結することとなりました。今後、Aマンション管理組合は、当該建物賃貸借契約に基づきマンション屋上の使用の対価として設置料収入を得ることとなりますが、当該設置料収入は、法人税法上の収益事業(不動産貸付業)に該当することとなりますか。

 なお、Aマンション管理組合は、法人税法上、人格のない社団等又は公益法人等に該当することを照会の前提とします。

【回答要旨】

 収益事業たる不動産貸付業に該当します。

(理由)
1 人格のない社団等及び公益法人等の課税関係
 法人税法上、内国法人(人格のない社団等を含みます。)に対しては、各事業年度の所得について法人税を課することとされており(法法3、5)、このうち人格のない社団等及び公益法人等に対しては、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得には法人税を課さないこととされています(法法7)。
 したがって、マンション管理組合(人格のない社団等又は公益法人等)に対する法人税は、収益事業から生じた所得にのみ課されることとなります。

2 収益事業の範囲
 法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他の一定の事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいい(法法2十三)、この一定の事業には不動産貸付業が含まれています(法令5①五)。
 したがって、マンション管理組合が賃貸借契約に基づいてマンション(建物)の一部を他の者に使用させ、その対価を得た場合には、収益事業(不動産貸付業)に該当し、その収益事業から生じた所得に対して法人税が課されることになります。

3 本照会について
 Aマンション管理組合は、移動体通信業者Xとの間で建物賃貸借契約を締結し、当該契約に基づいてマンション屋上の一部を移動体通信業者Xに使用させ、その設置料収入を得ていますので、当該行為は不動産貸付業に該当することとなります。

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