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エナリスのストップ安とその後の会社の反論(会社の見解)を考える

先週とあるWEBサイトに記事が記載されたことをきっかけにストップ安まで売り込まれたエナリスですが、26日に付けで「WEBサイト記事及び書き込み等に関する当社の見解について」というリリースを公表しています。

さらに、同日付で社長名で「凛として(代表取締役社長 池田元英)」というリリースを公表し「通常、会社の代表がこのような形でコメントする例も少なく、少々大人げなく、異例ととられるかと存じますが」としつつ、長文でのコメントを公表しています。

会社としては、当該WEBサイトの記事を「相場変動を図る目的をもつて、風説を流布することを禁ずる金融商品取引法第158条の規定にも抵触する重大な疑念があると言わざるを得ません」として「株主の皆様の大切な財産を保護する目的に、断固として法的措置をとる覚悟であります。」としています。

今回の一件が、風説の流布にあたるのかどうかについては、裁判でもなんでもやって白黒はっきりつけてもらえばよいと思いますが、率直な感想として会社の反論も中途半端であるように感じます。されにいえば、会社がいうところの「一部のWEBサイト記事及び書き込み等」程度のことでストップ安まで売られてしまうのはいかがなものかという気はします。

会社は「テクノ・ラボ株式会社に対する売掛金について」の中で、「登記上の本店は「茨城県牛久市久野町1419番地」ですが、当社が現地現認を行った実質本社は「東京都千代田区平河町二丁目4番8号平河町アーバンビル5階」に所在しておりました」と説明していますが、会社の登記上の本社と「実質本社」の所在が異なるような会社と10億円の取引をするというのは不自然に感じます。

しかも、「なお、現在当社はテクノ・ラボ社とは取引関係もなく所在は確認しておりません。」と、すっきりしない記載がなされています。

10億円の取引をこのような会社と行うにあたっては、「当社がテクノ・ラボ社より発電設備の購入意向を受け、売掛金に見合う他社発行の小切手を担保として受領し、入金まで設備の所有権を留保する等の債権保全を図りながら、平成 25 年 12 月 13 日に発電設備を引渡し、1,050百万円で販売して売掛金を計上いたしました」と説明されています。

売掛金に見合う他社発行の小切手を担保として差し入れた上に、発電設備の所有権の留保まで受け入れたテクノ・ラボ社はなかなか太っ腹な会社ですが、会社の説明によると平成 26 年5月頃、テクノ・ラボ社の発電計画についての実行性に疑義が生じ始めたうえ、同社が最終的に代金支払いに応じない」事態となり、「平成 26 年6月にテクノ・ラボ社に対する売掛金1,050百万円の代金不払による契約解除を通知し、債権債務を解消すると同時に当該発電設備を、グリーン燃料開発の事業性を評価した東証一部のリース会社に販売いたしました」とされています。

ここでよくわからないのは、「売掛金に見合う他社発行の小切手を担保として受領していた」のだから、それで売掛金を回収すればそれで終わりではなかったのかということです。

その上で「グリーン燃料開発の事業性を評価した東証一部のリース会社」にも10億円の設備を売却すれば、売上がさらに10億増えたのではないのだろうか・・・

もっとも設備売却自体はほとんど儲けがないという可能性もあり、10億円の設備を調達するには時間もかかるのでこのような取引になったということは考えられます。

それにしても5月に契約を解除して、6月に新たな売先が決まるというのは、金額が金額なだけに考えてみると凄いですね。

会社のリリースはWEBサイトで疑惑ありとされた項目について説明するというような形になっていますが、もうひとつ「日本エネルギー建設株式会社について」という内容に触れておきます。

この買収は怪しいというような論調の記事に対する反論となっています。今年2月に取得した会社で取得原価20億8千万円に対して「のれん」20億5千万円という企業結合となっています。

WEBの記事に対して「平成25年3月期は設立1期目となるため業績も小さくなっておりますが、平成26年3月期には、太陽光発電設備の販売等により売上高28億円まで規模を拡大しております。」としていますが、1期目の売上高3億8000万円に対して利益が56万円などと書かれていることへの反論として買収価格の妥当性を主張するのであれば、利益や今後の利益計画なんかも開示すればすっきりしたのではないかという気がします。

何が真実かは時間が経てば明らかになると思いますが、最終的にうまくいかなくなるとしてもクリーンに失敗してほしいところです。

日々成長

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